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市民社会と限界芸術

鶴見俊介は著書、限界芸術論のなかで「芸術」と呼ばれている作品を、「純粋芸術」、「大衆芸術」、「限界芸術」の3つに分類している。(「純粋芸術とは、専門的芸術家によってつくられ、それぞれの専門種目の作品の系列に対して親しみをもつ専門的享受者をもつ。大衆芸術は、これもまた専門的芸術家によってつくられはするが、制作過程はむしろ企業家と専門的芸術家の合作の形をとり、その享受者としては大衆をもつ。限界芸術は、非専門的芸術家によってつくられ、非専門的享受者によって享受される。」) (「職業として芸術家になる道をとおらないで生きる大部分の人間にとって、積極的な仕方で参加する芸術のジャンルは、すべて限界芸術に属する」)という。 「新しい公共」という言葉が民主党鳩山政権から出され、「市民参加」が大切! と言われてはいるけど、その実態に疑問を感じることがある 参加の後にくるものが大切なのではないだろうか コミュニティの崩壊に対する居場所づくり、連帯感の創出、関係性づくり どれも大切なんだろうけど、どこか物足りなさを感じる ここで岡本太郎の言葉を引用したい (「さまざまの人間的段階を切り抜けてゆく時に行う祭りにしろ、セレモニーにしろ、人間を 新しい生きがい、世界観にひらいて行く、そういうものすべてがイニシエーションであ  る」) 岡本太郎 美の呪力 自分の存在を掛ける、無目的に挑むといった、個人個人の生きがいをつくるような場を 創りだすこと 小奇麗にまとまった場のデザインではなく ごちゃごちゃしながらも生命力に溢れた場のデザイン 先生が電話で言っていた それは魂の叫びではないと・・・ 自分自身も、そして他人の魂の叫びをどこまで引き出すことができるか 2月13日まで走りぬけよう

社会を変えるお金の使い方

社会起業家として有名なNPO法人フローレンスの駒崎さんが書いた本 最近、勉強会で話に上がる寄付に関する知識を整理するのに役立った 内容としては 日本に寄付文化の浸透が必要である ただ日本に寄付文化がないわけではない ここで例として勧進、カンパ、さい銭、布施(大体は仏教関係)といった例が挙げられれる また、ファンドレイザーのような役割を担ってきた人として 空海、高野聖、二ノ宮尊徳といった誰もが知っている人の名前がつらつらと そして、寄付文化を根付かせるための具体的な手段として「NPO税制改革」 この改革により「参加する民主主義の建設」が期待できるとのこと この改革による大きな変化としては ・寄付金による減税措置がとられたということ→控除率が高くなる=税金が低くなる ・認定NPOをとりやすくなることで、NPOが寄付を集めやすくなる そして、市民一人一人が動き出すためにということで、学生だったら、企業の方だったら、主婦だったらということで、様々な立場で寄付の関わり方について述べられている。 寄付金が集まれば、確かに現場は動きやすくなるのだろうけど、寄付=参加という形式ではないことが大事であると思う 直接現場に出て活動に参加する。その中で人と出会い、自分自身とその人が抱えている問題(問題だけではなく希望も含めて)の関係性を考える そういった地道な活動への参加が必要不可欠であろう。

古代から来た未来人 折口信夫

折口信夫の本は前々から興味をもっていたので まずは入門書としてこの「古代から来た未来人」を読むことにしました。 折口信夫は、日本列島に生きた「古代人」の心をあきらかにしたい、と願った人だった。 この一文で始まる本書は、古代人の心を探り、古代の思考方法を解き明かした折口信夫の入門書として最適だと思います。 折口は古代の思考の特徴として「類化性能」、表面的には違っているものの間に、共通性や同質性を見いだす思考法を挙げています。 (「折口は「古代人」のなかに、時代的または地域的に決定づけられてしまう限定された人間ではなく、むしろ普遍的な「人類の思考の本性」を見いだそうとしていた」)p28 「知」とは何かを考えるヒントを与えてくれる 「知」は言語化されているものだけではない (「文字記録されたものの行間を読んだり、ゆがめられているものをもとの形に戻したり、わざと言われていないことの中に重要な問題を見つけたりできなくてはならない」)p14 創造性とは、言語を超えた共通性を見つけるものであり、身近なところで考えると障害のある人やホームレスという言葉で括られている人の存在、死者の存在、これから生まれてくる生命の存在。これらの見えないもの存在を感じ取り、結びつけながら、考え、行動していくことであると考えている。 生命と創造の根源は他界や異質なものの存在のなかに見出すことができる 多様な人々の参加の場 異質なものから学び、ともに創るという創造の場をつくること 自分自身が今やっていること これからやっていこうと思っていることとつながっていく感じはします

【読書】あなたには夢がある 小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡

貧困地域でアートを通じた職業訓練をおこなうマンチェスター・ビッドウェル・コーポレーション。 その創業から、人々を巻き込み、子供たちや地域に変革を起こしてきたストーリー。 財団法人たんぽぽの家 のエイブルアートムーブメントと重なる部分もあり、「アートとは何か」「アートが人に与える影響力と可能性とは何か」を考えさせてくれる本です。 あなたには夢がある 小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡 ビル ストリックランド 英治出版 発売日:2008-12-02 ブクログでレビューを見る あなたには夢がある 小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡 アート教育や職業訓練を通じて、非行少年や犯罪者、ホームレスや貧困者など、数多くの人々を立ち直らせ、生きる希望を与えつづけてきた起業家、ビル・ストリックランド。 彼はマンマンチェスター・ビッドウェルとは、貧困地域の子供達に教育プログラム、成人には職業訓練を提供するセンターを創設しました。 印象に残った言葉をメモ 「(このセンターは、よくできた避難の場だと思います。ここには秩序と安らぎ、落ち着きと楽観がありますが、生徒たちはそうしたものを実生活では味わえません。貧しい人たちは、美を生み出すのが不可能に見える世界で暮らしています。私たちはそれを可能にします。こういう場所にいると、世の中について、最終的には自分の将来について、それまでとはまったく違う見方ができるようになるのです。)」p25 ちょっと振り向けば、そのたびに何か美しいものが目に入る。そんな状態にしたいのです。ですから、センターの廊下やロビーには、タペストリーやアフリカの彫刻、技巧を凝らした写真など、世界各地の優れたアーティストの作品が飾られています。p26 芸術は架け橋です。より大きな世界、さらに幅広い経験ができる世界への架け橋なのです。路上で生活していた貧しい少年たちが、よい絵を見たいからといって必ず芸術を愛するようになるとは思いませんが、人は芸術に接することで、変われると思います。芸術は骨の髄まで染み込みます。体中の骨の髄まで。そうやって、芸術は私たちの人生に影響を及ぼすのです。私は芸術の影響、芸術の不思議な力を見てきました。うちの生徒たちは、「自分にはできない」と...

学生だからこそ無茶なことを! 白金アンテナの実践 

現在、大学の授業にて実践中の白金地域活性化の企画を立案している。 進めている企画は学生が白金の魅力を発見し、それを学生向けに発信していくという単純なこと 今後、情報発信を考える上で参考になりそうなマーケティングの考え方をまとめておく 情報発信(特にWEBを活用する場合) ・アイデアの意図と目的を一目でわかるように明確に示す ・関連性のある情報を示し、つながりを生み出すこと ・実用性があり、役に立つコンテンツを作成する。実用性または問題解決をソーシャルオブジェクトに埋め込む ・共有の後に何が起きるかを計算する 一方的に情報を発信するのではなく、「共感」してもらえるような情報を発信すること 地域、学生にとってメリットがあるような情報を発信すること 情報を受信した人にどのようなアクションをとってもらいたいのかを明確にすること まとめると 「共感」 「問題解決」 「共有後のアクション」 これらのことを考えながら実行していきたいと考えています。 ソーシャルマーケティングの考え方は参考になりそう ソーシャルマーケティング、または、マーケティング全般にとって重要な3つのポイントは 1)贈り物を特定し、定期的にオーディエンスに与えること 2)広告ではなく、本物の贈り物として受け取ってもらる点を確認すること 3)プロセスの開始点に何があるのかを特定すること ソーシャルオブジェクトをバイラル化する上で重要な点 1)関連性のあるコンテンツを作成する 2)流行仕掛け人とインフルエンサーを特定すれば、適切なオーディエンスに声を届けやすくなる 3)キャンペーンを公式に導入する前に彼らをプロセスに関与させるーシーディング (リリースされる前の段階での交流が重要) 4)彼らが説得しようとしている人物の共感を得るー感情面のつながりを得る 5)知り合いとコンテンツを共有するよう促す 6)その見返りを与える 7)交流後に閲覧者に取ってもらいたい行動を明示する 8)自己表現ができるようにフォーラムを提供する 9)協力してくれた人すべてを評価する 10)今後の交流のためにすべての関係者を一つにする 最後に・・・ 「あなたの業界で、誰もやろうとしていないことは何なのか?どこまでクリエイティブに考え、ユニークな何かを実行す...

共同体とコミュニティについてのメモ

共同体やコミュニティって何のために必要なのだろうか  マズローが著者「完全なる経営」で述べていた言葉 「人間の本性はどれほどいい社会を築き得るのか、社会はどれほどいい人間性をもたらしうるのか、社会の本性はどれほどいい社会を実現しうるのか、ということである」 「個々のセラピストの力ではどうすることもできないような問題でも、良き共同体、良き組織、良きチームが解決してくれるのである」 より良い組織、良い共同体をつくること、いわゆる「自治」の取り組みが必要だということ 「自律した個人」を目指すだけではなく 個人の先にある、共同体、さらにその先にある社会とのつながりを意識できるかが働きがいや生き甲斐を考える上で重要だと考えている 社会→組織→個人という時代から 個人→組織→社会という方向に流れが変わってきているのかと 宮沢賢治は著書「農民芸術概論」にて 「「嘗てわれらの師父たちは乏しいながら可也楽しく生きていた/そこには芸術も宗教もあった/いまわれらにはただ労働が生存があるばかりである/宗教疲れ近代科学に置換され然も科学は冷たく暗い/芸術はいまわれらを離れ然もわびしく堕落した/・・・/いまやわれらは新たに正しき道を行きわれらの美をば創らねばならぬ」  と述べている もう一度、自分たちの生活や仕事の在り方を見つめ直し、宮沢賢治が言う「われらの美」とはどういうことなのかを考えていくこと そして、生活や仕事の中に美を見いだすことができるような共同体が必要なのだろう

入門経済思想史 世俗の思想家たち

漠然とソーシャルビジネスを捉えすぎているなと思う。なぜソーシャルビジネスなの?何のため?その背景にあるものって何なの?そもそもソーシャルって?ビジネスってなに?それを支えている経済はどうなっているの?もう少し深く考えていかなければいかない。 どのように現代社会を見るか。 資本主義、市場システムの限界に対してソーシャルビジネスという言葉の登場。いま、なぜソーシャルビジネスという言葉が注目されているのか。市場システムの限界とはどこにあるのか。私たちは今後、どのように資本主義経済と関わっていくべきなのか。このようなことを考えるときに、歴史を考え直す必要が出てくる。資本主義の根本的な部分に疑問を持たずに漠然と生きていくことは非常に危険なのではないだろうか。経済とは何か?私たちはどのような思想を背景に生きているのかを考える。これが、今後1カ月くらいのテーマになると思っている。本文中に「経済学の中心をなすのは、社会の歴史の秩序と意義を探求することである」とあるが、これから「歴史の秩序と意義の探求」を始めたいと思う。 「入門経済思想史 世俗の思想家たち」 入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫) ロバート・L. ハイルブローナー 筑摩書房 発売日:2001-12 ブクログでレビューを見る» 第一章 本章では、経済学の歴史を形成してきた思想を巡り、中世における資本主義の誕生を読み解いていく。まず題名にある、世俗の思想家とはどのような人たちのことだろうか。 「(これらの人たちを結びつけたのは、彼らの人格でも経歴でも偏見でもなければ、彼らの思想でさえなかった。・・・以下略・・・彼らは思想体系の中に、人間のあらゆる活動の中でもっとも世俗的な行動である富への衝動を組み入れようとしたからである)」 アダムスミスは人間が社会の存立を維持するためには3つの方法があると考えていた。 1)伝統に基づいて人間社会を組織する⇒伝統 2)独創的支配という鞭を振るうことで必要な仕事がうまく行われるようにする⇒命令 3)各人は金銭的に見て自分にいちばん有利なことをしなさいという考えを根付かせる⇒市場システム この3)の方法が一般的になったことが経済学の登場に結び付いた。 しかし、市場システムの考え方はそう簡単には社会に受け入れられなかった。 それまで何世...