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1月, 2011の投稿を表示しています

市民社会と限界芸術

鶴見俊介は著書、限界芸術論のなかで「芸術」と呼ばれている作品を、「純粋芸術」、「大衆芸術」、「限界芸術」の3つに分類している。(「純粋芸術とは、専門的芸術家によってつくられ、それぞれの専門種目の作品の系列に対して親しみをもつ専門的享受者をもつ。大衆芸術は、これもまた専門的芸術家によってつくられはするが、制作過程はむしろ企業家と専門的芸術家の合作の形をとり、その享受者としては大衆をもつ。限界芸術は、非専門的芸術家によってつくられ、非専門的享受者によって享受される。」) (「職業として芸術家になる道をとおらないで生きる大部分の人間にとって、積極的な仕方で参加する芸術のジャンルは、すべて限界芸術に属する」)という。 「新しい公共」という言葉が民主党鳩山政権から出され、「市民参加」が大切! と言われてはいるけど、その実態に疑問を感じることがある 参加の後にくるものが大切なのではないだろうか コミュニティの崩壊に対する居場所づくり、連帯感の創出、関係性づくり どれも大切なんだろうけど、どこか物足りなさを感じる ここで岡本太郎の言葉を引用したい (「さまざまの人間的段階を切り抜けてゆく時に行う祭りにしろ、セレモニーにしろ、人間を 新しい生きがい、世界観にひらいて行く、そういうものすべてがイニシエーションであ  る」) 岡本太郎 美の呪力 自分の存在を掛ける、無目的に挑むといった、個人個人の生きがいをつくるような場を 創りだすこと 小奇麗にまとまった場のデザインではなく ごちゃごちゃしながらも生命力に溢れた場のデザイン 先生が電話で言っていた それは魂の叫びではないと・・・ 自分自身も、そして他人の魂の叫びをどこまで引き出すことができるか 2月13日まで走りぬけよう

社会を変えるお金の使い方

社会起業家として有名なNPO法人フローレンスの駒崎さんが書いた本 最近、勉強会で話に上がる寄付に関する知識を整理するのに役立った 内容としては 日本に寄付文化の浸透が必要である ただ日本に寄付文化がないわけではない ここで例として勧進、カンパ、さい銭、布施(大体は仏教関係)といった例が挙げられれる また、ファンドレイザーのような役割を担ってきた人として 空海、高野聖、二ノ宮尊徳といった誰もが知っている人の名前がつらつらと そして、寄付文化を根付かせるための具体的な手段として「NPO税制改革」 この改革により「参加する民主主義の建設」が期待できるとのこと この改革による大きな変化としては ・寄付金による減税措置がとられたということ→控除率が高くなる=税金が低くなる ・認定NPOをとりやすくなることで、NPOが寄付を集めやすくなる そして、市民一人一人が動き出すためにということで、学生だったら、企業の方だったら、主婦だったらということで、様々な立場で寄付の関わり方について述べられている。 寄付金が集まれば、確かに現場は動きやすくなるのだろうけど、寄付=参加という形式ではないことが大事であると思う 直接現場に出て活動に参加する。その中で人と出会い、自分自身とその人が抱えている問題(問題だけではなく希望も含めて)の関係性を考える そういった地道な活動への参加が必要不可欠であろう。

古代から来た未来人 折口信夫

折口信夫の本は前々から興味をもっていたので まずは入門書としてこの「古代から来た未来人」を読むことにしました。 折口信夫は、日本列島に生きた「古代人」の心をあきらかにしたい、と願った人だった。 この一文で始まる本書は、古代人の心を探り、古代の思考方法を解き明かした折口信夫の入門書として最適だと思います。 折口は古代の思考の特徴として「類化性能」、表面的には違っているものの間に、共通性や同質性を見いだす思考法を挙げています。 (「折口は「古代人」のなかに、時代的または地域的に決定づけられてしまう限定された人間ではなく、むしろ普遍的な「人類の思考の本性」を見いだそうとしていた」)p28 「知」とは何かを考えるヒントを与えてくれる 「知」は言語化されているものだけではない (「文字記録されたものの行間を読んだり、ゆがめられているものをもとの形に戻したり、わざと言われていないことの中に重要な問題を見つけたりできなくてはならない」)p14 創造性とは、言語を超えた共通性を見つけるものであり、身近なところで考えると障害のある人やホームレスという言葉で括られている人の存在、死者の存在、これから生まれてくる生命の存在。これらの見えないもの存在を感じ取り、結びつけながら、考え、行動していくことであると考えている。 生命と創造の根源は他界や異質なものの存在のなかに見出すことができる 多様な人々の参加の場 異質なものから学び、ともに創るという創造の場をつくること 自分自身が今やっていること これからやっていこうと思っていることとつながっていく感じはします