スキップしてメイン コンテンツに移動

投稿

4月, 2013の投稿を表示しています

ココルームを訪れる、釜ヶ崎という地域

天王寺〜動物園前、そしてココルームへ   Go Westで釜ヶ崎を訪れたのは2011年の夏。 天王寺公園をぬけて通天閣を横に見ながら観光客で賑わう商店街を早足で歩く。 地下鉄の動物園前駅を通りすぎると、初めてこの地に立ったときのことを思い出す。 3年前の記憶を頼りに ココルーム へ向かう。 町を歩く人々の姿は、都市化が進む天王寺とは明らかに違う。 大阪特有のアーケードが見えた。「 動物園前一番街 」と書いてあるからここで 間違えないなと思い、少し歩くペースを上げて商店街に入る。 何に緊張していたのかわからないが、この町を歩くのはやっぱりドキドキする。 もしかしたら、自分はこのドキドキ感を求めていたのかと思いながらココルームに到着。 ココルームの奥には、こんな言葉が飾られている。この言葉が結構好きだ。 日本の三大寄場と呼ばれる町、地図にはない町「釜ヶ崎」 ココルームは釜ヶ崎で暮らす人たちにとって社会の接点となる居場所。 アート・表現を通じて、釜ヶ崎と世界をつなぎ、世界と釜ヶ崎をつないでいる。 代表である詩人の上田假奈代さんが迎えてくれる。 3年前とはスタッフの方々も入れ替わっていると聞くが、においや雰囲気は全く変わっていない。 アートNPOという肩書きをもつココルームですが、そんなキレイな言葉で片付けられるものではない。 釜ヶ崎の持つしんどさは、社会制度からこぼれ、家族関係からこぼれ、それでも生きてきた人たちの 孤独と寄る辺なさの連続だった、だが、そこに気づいたとしても、なす術もない。わたしたちはお互いの人生を取り替えることはできない。 この地域でアートNPOとして仕事を果たすために毎日カフェを開き、訪れる人を待つだけだった ちいさな表現の場をつくりつづけるしかなく、それがアートだ、芸術振興だと言っても信じてもらえないことも自明である状況がつづいていた。  こころのたねとして2011 釜ヶ崎・飛田・山王 上田假奈代さんがこの地に根付いてやってきたことを想像する。 コミュニティデザインという言葉を使いたがってしまう自分がバカバカしくなる。 言葉は目の前の人と真剣に向き合ったときに生まれてくる。 最初から言葉があって、後から人がついてくるわけではな

「伝える店・学べる店」D&DEPARTMENT大阪〜これからの消費スタイル・物を売るスタンスはここから学ぶ〜

心斎橋から歩く 心斎橋の8番出口から20分程歩いていく。 決して便利と言える場所ではない。 (その理由はD&DEPARTMENTに学んだ人が集まる「伝える店」のつくり方に書いてあるので後ほど簡単に紹介する。) 堀江の家具通りオレンジストリートを抜け、静けさを取り戻したその時にD&DEPARTMENTは現れた。派手なディスプレイはなく、その町・その通りに溶け込んでいるような佇まいである。   D&Departmentとは? 良いものを長く大切にする「ロングライフデザイン」を広めることをコンセプトに、デザイナーのナガオカケンメイさんが企画しているお店です。 お伺いした際には益子焼の展示が行われていました。 お店を訪問する前は 店舗ブログ をチェックしておくことをオススメします。 なぜ、この場所に? 最初にも書きましたが、この場所は駅から遠いです。結構歩きました。店舗来店者数を増やすことを考えると、効率は悪いはず・・・でも、これには訳があるのです。 不便な場所にあるお店に来る人は、家を出るときから「今日はあの店に行こう」という意志がある人です。通りすがりで、何も知らずにフラっと入るようなお客さんではないのです。意識の高いお客さんを相手に、きちんとコミュニケーションを取れる状況をつくることが、僕らのようなお店にはとても大切になってきます。 D&DEPARTMENTに学んだ人が集まる「伝える店」のつくり方 ナガオカケンメイ 意識の高いお客さんを集め、そのお客さんとしっかりコミュニケーションをとり、納得した上で購入してもらう。 ロングライフデザインをコンセプトにするとは、こういうことなのかと妙に納得してしまいました。 過剰な装飾やSALEによって、消費する欲望を掻き立てられることもない。だから、ここは生活と真剣に向き合えるお店なのだと思います。 コミュニケーション・コミュニティが生まれる場 1Fには生活用品や雑貨、2Fには家具、3Fにはカフェ、4Fでは勉強会やワークショップも行われているようです。 その日は開催されておりませんでしたが、4月は 益子焼作家・鈴木稔さんのワークショップ が店舗1Fにて行われていたとのこと。 面白いのは、このワークショップには、お客さんだけではなく、スタッフ、ナガオカケンメイさんご自身も勉強のた

シェアハウスを活用してコミュニティをつくるために必要な3つのこと

恵比寿のシェアハウス「ぱれっとの家いこっと」に暮らして2年。大阪に転勤になっても、再びシェアハウスで暮らすことを選んだ自分。シェアハウスで暮らした2年間を振り替えつつ、なぜ煩わしさを感じながらも「他人と暮らす」という選択をしたのかを考えながら整理している。   自分の中ではシェアハウスに期待していることがある。 それは「シェア」を意識することが、生活の中に人間らしさを取り戻すことにつながるのではないかということ。   ただ、よくよく考えると、「シェアハウス」であることが大切なのではない。 「生活をシェアすることでコミュニティを形成すること」の意味がある   シェアハウスブームで、シェアハウスに関する興味・関心は高まってきているけれども、本質的なことを忘れてはいけないと思う。   そのために、シェアハウスを活用してコミュニティをつくるために必要な3つのことをまとめてみた。 ここでの「シェアハウス」という言葉は、「生活をシェアすることでコミュニティを形成すること」という意味。   ①コミュニティマネージャーの存在 ②食はコミュニティの根源 ③シェアハウス外のゆるいつながりを大切にする     ①コミュニティマネージャーの存在   共有スペースがあればシェアハウスなのではなく、シェアする暮らしをマネジメントする人がいることがコミュニティをつくる上で欠かせない。コミュニティマネージャーの役割はお世話をすることではなく、コミュニケーションが生まれる場をデザインすること、コミュニティ全体の人間関係を調整すること。積極的に共有スペースの活用方法を考えて、入居者全体に提案をすることなど。   「地域」という単位でコミュニティが成り立っていた時は、必ずコミュニティマネージャーがいたはず。それは町内会長だったかもしれないし、イケイケでリーダーシップを発揮できるオバちゃんだったかもしれない。   仕事ではリーダーシップという言葉がよく使われ、重要性が認識されてきている。生活面でも、リーダーシップを発揮できる人が出てくると、豊かな暮らしは実現しやすいのではないかと思う。     ②食はコミュニティの根源   食卓を囲むこと。シェアハウス内の人間関係を構築する上で、「食卓」と「食材」ほど大切な共有備品はないと思っている。一緒に食