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東北の人と仕事と暮らし

東北から日本の未来を考える。

7月14日,15日と東北復興ギャザリングに参加して、東北の魅力を感じてから東北関連の情報にアンテナをはっている。陸前高田で感じた何か、東北に関わっていきたいと考えるようになったのは何だったのかということを一つ一つの情報に触れながら考えている。

今までの東北情報を少し整理してみようと思ったので、この1ヶ月特に印象深かったコンテンツをご紹介します。テーマは「東北の人と仕事」

1.おかみのさんま 気仙沼を生き抜く

夏期休暇最終日、仕事の準備をするためにアカデミーヒルズへ行く。
そのときに偶然手にとったのがこの本。

おかみのさんま 気仙沼を生き抜く魚問屋3代目・斉藤和枝の記録

先月に参加した東北復興ギャザリングで、著者の斉藤さんのお話を直接聞く機会があった。震災後の経験には「うまく言い表すことはできないが、決して忘れてはいけない大切なもの」があったと仰っていました。
その言葉が印象的で、本の裏表紙を見た時に、あっ!と思い、一気に読んでみました。


震災時の心境や復興に向き合う姿勢からも気付かされることが多かったが
何より斉藤さんの仕事観からの学びが大きかった。

最後の章に斉藤さんが大切にしている10の言葉が載っている。
その中にあった2つの言葉が印象的。
「斉吉は実業です。だから、社員は家族です。」
「この道より我を生かす道なし この道を行く」

斉藤さんの仕事には覚悟がある。
仕事は生きることに直結していて、暮らしをつくり、文化を守っていくもの。
震災関連の書籍としてだけではなく、仕事の価値観を問いなおす1冊として
非常におすすめ。

2.オイカワデニム デニムと日本のモノづくり

リーバイスのOEM取扱時には全世界の工場中、最高と認定された高い技術を持っており、2009年から独自ブランドでの世界展開を行っているとのこと。

「デニムは人生に似ている。一度失敗してもくじけても、その都度強く立ち上がればいい。」そう講演で語った及川さん。津波で流され、40日後に流された工場から発見されたデニムには一本の糸のほつれも型くずれもなかったとのことです。



日本技術とは何か、日本のモノづくりが向かう方向性を教えてくれているような気がしています。


その他のTED×Tohokuのコンテンツは要チェクです。
→http://www.facebook.com/TEDxTohoku

3.テマヒマ展 東北の食と住
これから考えていきたいのは、東北の暮らしに関して。9月には東京でシェアハウスをつくったメンバーと東北を訪れて、フィールドワークを行うことになっている。
7月に陸前高田を訪れた際に話をした、地域の方がシェアハウスに非常に強い関心をもってくれたのがきっかけです。
血縁者を津波で失い、孤立している人々をつなぎ、どのようなコミュニティを形成していくのかは、大きな課題だと考えています。

シェアハウスといっても、そもそも東北の暮らしを支えているものは何か?ということを理解しないといけないと思い、訪れたのがテマヒマ展 東北の食と住

さすが、21_21 DESIGN SIGHT Webのコンテンツもかなり充実しています。

フォトドキュメントは企画展に訪れる前に
http://www.2121designsight.jp/program/temahima/
「深澤直人、東北へ」
「佐藤 卓、東北へ」
「川上典李子、東北へ」
3人のデザイナーが東北を訪れ、地域を支える技と糸に出会い、どのようなインスピレーションを得たのかといったことがセンスよくまとめられています。

<おまけ>
東北復興ギャザリングin陸前高田にて、斉藤さんと同じ経験をしている方の話を聞いたことを思い出した。その方は震災で工業・商店が流されてしまった中でも、伝統を受け継ぎ、地に根を張って商売を営んでいる。
頂いた名刺の裏に書いてある3つの基本方針が、僕が東北で感じた魅力と大きく関係しているのかなと思います。
【基本方針】
一、生きる
一、共に暮らしを守る
一、人間らしく魅力的に

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