マーケティングチーム=思考と感情と行動のバランスをとる
ハーバード・ビジネス・レビューの「2020年のマーケティング組織」という論文にある図・オーケストレートモデルが非常に参考になりました。
2020年のマーケティング組織では、3つの思考タイプを組み合わせて、チームやタスクフォースを組み込むことが大切だと紹介されています。
図で表されているのは、ケーブルテレビ会社のリバティ・グローバルが、マーケティングチームのタスクフォースをどのように設計したのかというものです。
- 左側が指揮官であるオーケストレーターの存在
- 真ん中がマーケッターの思考3タイプを説明
- 右側がリバティ・グローバルのマーケティングチームがどのようなタスクフォースを設計したかの事例
幅広い人材プールから調達
必要なマーケッター人材問題は、身近なリソースに光をあてると解決するケースが多い。
まず見つけるべきは、プロデューサー=マーケティングチームを率いることができる人材です。
CMO(マーケティング責任者)をはじめ、CXO(最高エクスペリエンス責任者)やグローバル・ブランド・マネージャーなどのマーケティングリーダーは、社内外から人材を選び、特別プロジェクトのために短期的なタスクフォースを編成し、オーケストレーターとして機能するようになってきた。
マーケッターの思考3タイプ
- 思考:データや分析に焦点
- 感性:消費者エンゲージメントに焦点
- 行動:コンテンツや制作に焦点
マーケッターは3タイプに分けられる。3タイプ(思考・感性・行動)の中でも、何を強みとするマーケティング組織なのかを認識する。強みを活かすためのタスクフォース(業務比率)を設計することが求められます。
その設計をするのが、最初に紹介した、オーケストレーター=プロデューサーの役割になってきます。
マーケティング・チームは伝統的にゼネラリストが多かったが、ソーシャル・メディアやデジタル・メディアの台頭により、その構成が変化してきた。現在、優秀なチームは「思考」「感性」「行動」という3タイプのマーケッターを揃えている
2020年のマーケティング組織 マーク・デスワーン・アロンズ
顧客ニーズや市場の変化が複雑化し、テクノロジーがものすごいスピードで進化する時代には、マーケティング経験者を採用・アサインするだけでは、適応できません。
人材定義を明確にして、どのようなタスクフォースを設計するのかをしっかりと意識したいものです。
マーケティングも人事力が鍵になる
ドラッカーは「会社経営の究極の手段は人事である」と言っています。
マーケティングの究極の手段も人事にあると思っています。
ドラッカーが掲げる人事判断をするポイントは参考になります。
①仕事の中身を詰める職務規定は変わらないが、その職務の仕事の中身は常にリデザインしていく必要がある。
②複数の候補者を検討する
③候補者を正しく判断する強みは何か、その強みはその仕事の中身にあっているか
弱みを中心に見ていたのでは、いかなる成果も生み出せない。
必要な能力さえ秀でていれば、他のことは組織として補いようがある。
④知っている者何人かから聞く一人だけで判断せず、多様なステークホルダーに非公式的に聞く
⑤仕事の中身を理解させる(要求することと、認識していることが正しいかをすり合わせする)
昇進人事の失敗の最大の原因は、新しい仕事の要求するものについて、人事を行った者が徹底的に考えることをせず、しかもそのポストに就いた者に考えさせないことにある。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
マーケティング業務の中でも、何が得意なのかは人それぞれです。「強み」に焦点をあてた業務に取り組めるようにするのに、ストレングスファインダーの診断を活用するのも有効的かもしれませんね。