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ダイソンの「デザインエンジニア」から学ぶマーケティング組織のつくり方

「わたしはビジネスマンじゃない」と、彼は言い張る。「わたしはデザイナーであり、エンジニアなんだ」。
by ジェームズ・ダイソン卿


ダイソンの定理     破壊+発想実験+冒険=ものづくり from 『WIRED』VOL. 3
http://wired.jp/2012/05/07/dyson/


社長のダイソンさんは、肩書が社長ではなく、「チーフエンジニア」と今でも商品開発の最前線にいるそうです。
エジソンのような人ですね。


そんなダイソンはデザイン部署とエンジニアの部署を統合して、デザインエンジニアという職種をつくりました。

この発想は理想のWEBマーケティングチームを考えるのにも参考になります!

テクノロジーがものすごいスピードで進化してくる中で、人材定義とチーム設計の方法が変わってきています。


キーワードは、スキルセット・専門分野の統合。

ちなみに、ダイソンはマーケティングはしないと記載された記事もあります。

「マーケティングはしない」ダイソン、驚きの製品開発の裏側
https://newspicks.com/news/933845/body

ダイソンがマーケティングをしていないのではなくて、マーケティングの在り方が変わってきているのだと思います。


ということで、ダイソンの組織から学べる、これからのマーケティング組織について考えてみました。


先日に開催したBtoB向けWEBマーケエティングのセミナーを実施する際に
WEBマーケティングチームに必要なスキルセット、役割をまとめたので、それも活かしながら。



マーケティングチーム=ビジネス×エンジニア×デザイン


マーケティングチームに必要なスキルセットを、人材定義と一緒にまとめています。

もとになる、人材定義は一橋ビジネスレビュー(2015年3月16日)、SPR.「デザインエンジニアリング」、4~5ページにある内容を参考にさせて頂きました。


6月の一橋ビジネスレビューには、ダイソンの組織について詳しく載っています!







[特集論文-3]デザインエンジニアリングの実践(田川欣哉 takram design engineering 代表・Royal College of Art客員教授)


上記の論文に記載されていた図から、マーケティングチームのスキルセットについてまとめてみました。




各人材のスキルセットは下記のような感じです。



①ビジネスクリエイティブ

スキルセット例
  • キーワード管理
  • リスト管理
  • 営業・他部門とのコミュニケーション
  • 全体の課題抽出


②デザインエンジニア

スキルセット例
  • コンテンツライティング
  • ソーシャルメディア運用とモニタリング
  • LP・バナー・E-BOOKのデザイン
  • 紙媒体含めたクリエイティブの管理
  • 現場ヒアリング


③ビジネステクノロジスト

スキルセット例
  • サーバー管理
  • JavaScript
  • Google Analyticsのカスタマイズ
  • エンジニアリング
  • 自社技術のたな卸し
  • HTML
  • タグマネジメント
  • データ解析
  • アトリビューション分析
  • Excelのマクロ構築


採用・育成・外部の活用

マーケティングに力を入れていこうと考えたときに、人材定義をせずに採用・育成・代理店活用をすると、高確率で失敗すると思います。

①採用

マーケティングチームをつくるために人材を採用する際には、その人のキャリア背景を理解し、すでにもっているスキルと、目指してもらいたい人材像を上記のモデルを参考にして設定するといいと思います。

ビジネスエンジニアを採用したいと定義ができれば、採用候補者は、経歴としてシステムエンジニア、プロジェクトマネジメントの経験をしていて、JavaScriptやExcelでマクロ構築をするとった基本技術を身につけている人とまで落とし込みことができます。


②研修

研修の活用に関しても、ビジネス・テクノロジー・クリエイティブの3点から学習プログラムを構築するということが必要だなと感じています。

旧式の4P・3C・SWOTといったフレームワークを形式的に学ぶことも必要です。
ただ、それだけでは複雑さが増す、市場・顧客の変化についていけないと思っています。

サービスデザイン・デザイン思考・UXデザインといった、デザイン業界で使われている理論や方法論をマーケッターが学ぶということは必須になってきていると思います。


③外部リソースの活用

自社でどのスキルをもった人材を育てて、どのスキルは外部の代理店やコンサルティング会社に任せるのかといった判断も必要になってきます。

外部を使えない場合も、自部署のリソースに頼らず、社内で人材を補完する、最終的には部署を統合するという選択肢もとることを早めに考えておくことが大切です。



マーケティングチームづくりのまとめ


・マーケティングの必要人材を定義する
・ビジネス・クリエイティブ・テクノロジーの3要素をチームに組み込む
・学習プロセスを変える
・部署の定義を変える
・外部を上手く活用する



ダイソンがデザインとエンジニアの専門スキルを統合したように、マーケティングチームも多様なスキルセットをもった人材を組み合わせて設計をしていく必要が出てきていると思います!

サイトのグラフィックデザインのみをする人、システムまわりだけをイジる人、上流の戦略だけ考える人・・・と、自分の得意な領域だけに閉じこもってしまうマーケッターやデザイナーは淘汰されていくのではないでしょうか。


マーケティング組織は、営業にリードを渡して終わり、売上を10%あげて終わり、ではなくて、ダイソンのデザインチームのように付加価値とユーザーの体験価値を生み出すような役割も担っていきたいですね!商品開発への貢献度もマーケティングチームの成果指標に取り入れたいものです。

※ダイソンはデザインチームが付加価値を生み出すことで、8万円で掃除機を売り出しました。


参考


オープン・イノベーションのマネジメント -- 高い経営成果を生む仕組みづくり



ダイソンを学ぶための記事


ダイソン親子が語る「家族経営だから自由に開発できる」


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