著者が博報堂ブランドデザインさんとなっておりますが、ブランディングや広告に偏った話ではありません。
本書の内容を整理すると
人間の思考は「言語領域」と「非言語領域」の二つで成り立っていて、人が何かを判断するときは、非言語領域の情報が95%を占めますよ。
だから、言語化される情報ばかりを頼りにしているともったいない。非言語情報をもっと活用して、より良い仕事をしていきましょう。
非言語情報を活用する手段として、会議でのファシリテーション、ワークショップや、KJ法といったものが紹介されています。
企業にはさまざまな事情が複雑に絡み合っているし、市場にもまたいくつもの要因が複雑に入り組んでいる。そのすべてを言語化し、論理的に分析して、合理的な判断を下すのはまず不可能に近い。 ビジネスは「非言語」で動く
言語化される情報を頼りにするのではなく、その人の身振り、声、表情などに耳を傾けることが大切であること。それが以前に書いた記事「わかりあえないことから-シェアする暮らしのコミュニケーション-」に通じるところかなと思います。
ユーザー参加型の時代における非言語領域の重要性
個人的にはマーケティングの手法として、ユーザー参加型や、ワークショップを開催することに注目をしているが、これらの手法も非言語領域の情報を理解し、適切な商品設計やプロモーションを行うためのものであると思います。
ユーザーの本音を理解するということは、言語領域、非言語領域の両方を理解するということにつながってきます。
ユーザーに意見をもらうアンケートに答えてもらうだけでは、本音を引き出せないことがわかってきているからだと思います。
それで、企業もワークショップやユーザーとの協働開発といったことを行なっているわけです。
ユーザー参加型ワークショップ事例①
資生堂×ソーシャルアパートメント ビューティーシェアハウス
ユーザー参加型のワークショップ事例②
マザーハウス お客様とつくる商品企画会議
本書の中にも、「手は頭より賢い」ということで、手を動かしながら考えることで、非言語領域の情報に迫る手法が紹介されています。
その中の一つがレゴシリアスプレイ。
レゴを活用したワークショップを行い、非言語情報を拾いながら商品企画、チームビルディングなどを行なっていくというものらしいです。
個人的には、最近にお邪魔しているNPO法人ココルームが行なっている詩のワークショップ「こころのたねとして」も非常に可能性をもっていると思っています。
こころのたねとしての関連記事はこちら
まとめ
マーケティングっぽい話になってしまったが、これからの企業と個人の関わり方、市民同士の関わり方は、少しづつ変わってくるのではないかなと思っています。
どう変わるかというと、「健全な関係性を築く」ことの重要性がより一層増してくるのではないかと・・・
ここ抽象的なのでもっと掘り下げます。
★関係性をフラットにすること
★手を動かしながら考えること
★非言語領域と言語領域を往復すること
こういったことを意識して