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天野祐吉 広告論講義

テレビCMなどの広告の評判を中心とした月刊誌、広告批評を創刊した方。
現在はコラムニスト、童話作家でもある。
Twitter @yukichiamano
明治学院大学の大先輩。天野さんは中退しているが・・・
なぜか明治学院の偉大な先輩方は中退している率が高いのは気になる。
そんな大先輩の天野さんによる著書「天野祐吉 広告論講義」
しかも、明治学院大学で行われていた講義をもとに書かれているらしい。


広告ーこれこそが、大衆消費だけでなく、人類の大量虐殺さえ可能にした奇怪なる二十世紀を牽引し、そのイメージを絶えず切りひらいてきたのだ。`広告`という窓から時代と社会、文化を見つめ続けてきた著者が、二十世紀と広告の奇妙な関係、そこに映しだされた私たちの欲望をあざやかに読み解き、広告の魅力と怖さ、その本質と機能、未来について初めて語る。卓見とセンスが光る、二十世紀的広告論。

二十世紀=戦争の世紀? 科学の世紀? 広告の世紀

二十世紀の主要な出来事を、その事象を社会に根付かせるための潤滑油となった広告から読み解いていく。
紹介されている出来事はこちらです。

  • 第一講 パリ万博
  • 第二講 南極探検隊員募集
  • 第三講 エンゼルと福助
  • 第四講 T型フォード
  • 第五講 ヒトラー
  • 第六講 スモカ歯磨
  • 第七講 フォルクスワーゲン
  • 第八講 アンクルトリス
  • 第九講 NASA
  • 第十講 ハングリー?
古代から広告そのものは変わらない。それでも広告のカタチは変わってきた。
それを推し進めたのは、クルマ、宇宙船といった移動手段であったり、テレビ=マスメディアの出現であった。
最後は、インターネット広告について言及されているが、これまでの広告を支えてきた`暴力性`を如何に捨てられるかという視点が興味深かったです。

21世紀の広告ー百貨店ー

第一講についてだけ、自分なりに掘り下げてみようと思う。
パリ万博のことが紹介されているのではなく、そこに乗っかり、日本に大量消費時代のイメージをつくった百貨店の言葉。
百貨店はミニサイズの万博として日本に登場した。
・「赤ちゃんは汗っかき」(伊勢丹:ベビー用品、一九六一年)
・「白地だけでも織り柄が五十種類あります(松屋:ワイシャツ、一九六一年)
・「パリからトーキョーへ、カルダンがやって来た」(高島屋・松坂屋、一九六一年)
百貨店が元気になったのはパリ万博だけの影響だけではないと思いますが、
万博⇒百貨店、つまり「大量消費=ぜいたく」というイメージをつくったのがこの路線であったことは間違えなさそうです。
現在、大阪は、百貨店戦争が起きています。ここらへんのWEB広告を分析してみます。
百貨店の再定義がはじまっているような気がします。
コピー:大丸:百貨店なのに、◯◯◯
あなたがつくっていくものです、といった意味でしょうか。
コピー:なぜ、大阪に、また百貨店。だれもがそう思う。
大衆向けよりは、高いファッション性を武器に伊勢丹は仕掛けます。

その他の百貨店
大丸が打ち出しているコピー、「百貨店なのに◯◯」を自分なりに考えてみると、
百貨店なのに「テーマパーク」
百貨店なのに「安い」
百貨店なのに「美味しい」
こんな感じでしょうか。

これから、これから

改めて広告は文化・生活・社会を形づくっていきます。
われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか
広告という窓から20世紀を振り返り、21世紀を考えてみよう。

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