今回の内容は、「ふるさと納税」に関してです。
成功している自治体は何をやっているか?
を知るために・・・
ふるさと納税の成功事例として取り上げられることが多い、北海道の上士幌町を分析してみました。
今回調べてみて思いましたが・・・
ふるさと納税で成功している自治体は、顧客=納税者と丁寧にコミュニケーションをとっています。納税者のニーズに応えることを徹底的に行っています。
やはりWebマーケティング、Webを活用したコミュニケーションは自治体再生には鍵になってくるだろうなと思っています。
今回は、ビジネスモデルキャンパスをもとにした分析から、成功要因の特定をしてみました。自治体やNPOの事業全体像を整理するのにもビジネスモデルキャンパスは役に立ちます。
9億6千万円に達しています。
また、ふるさと納税額を増やす取り組みのみに終わらず、観光や移住へ納税者を転換するための取り組みも積極的に行っているのがすごいところです。
一つずつ説明していきます。
IT活用の全体像
上士幌町では、複数のメディアを運営しており、Webを活用した新規納税者の獲得と、納税者をファン化し、町との関わりを深くしていくための取り組みに力を入れています。
・オウンドメディア(自治体サイト)
http://www.kamishihoro.jp/
・SNS
Facebook
https://www.facebook.com/kamishihorotown
Twitter
https://twitter.com/kamishihoro
※ ふるさと納税専用アカウント
https://twitter.com/ftax_support
ふるさと納税の特産品に関するお知らせ専用アカウントをつくっている。
・ Blog(かみしろほん.com)
http://www.kamishihoron.com/
・ 特設サイト
通販サイト(十勝かみしほろん市場)
http://www.kamishihoron-ichiba.com/
移住希望者向けサイト(移住com)
http://ijyuu.com/
===================サイトの詳細はこちらから===================
通販サイトではクレジットカードの導入、スマホ対応など民間のECサイト同様の対策を行っています。
納税というゴール、特産品を定期購入するというゴール、観光に訪れるというゴール
ユーザーがアクションを起こしやすい、起こしたくなるような動線をしっかりつくっています。
Facebook・Twitterの役割を明確に分けており、発信される内容もターゲットを明確に意識して実施されています。
SNSを活用した情報発信は、町の外部の方(とくに、納税者向け)を意識されており、寄付金の活用成果報告や、観光系のコンテンツが作成されているのが特徴的です。
地域おこし協力隊!おそらくこの外部リソースをうまく活用できていることが
上士幌町のふるさと納税事業(と言っていいかわかりませんが)成功の最大のポイントだと考えています。
通販サイトの構築、クレジットを活用するためのシステム利用などは、地域おこし協力隊の方々が実施をしましたと記載されています。
住民5千人弱の町で、上記のようなIT,Web活用を行うことができたのは、外部リソースを有効的に活用できたからこそ!
上士幌町は、ふるさと納税の成功事例として取り上げられることが多いが、納税者を町のファンになってもらうための施策が他の自治体と比べ優れています。
・ 上士幌町が行っているコミュニケーション(図1)
ふるさと納税→通販でリピート→観光情報やイベント情報の伝達→継続的なコミュニケーション→移住
継続的なコミュニケーション、町の価値を伝え続けることを戦略的に行っている。
下記に具体的に行われている取り組み(①IT活用以外)をまとめてみました。
納税者との直接交流イベントを行い注目されている。
イベント名:上士幌町ふるさと納税大感謝祭2015 in東京
参考サイト
http://www.kamishihoro.jp/entry/00002159
熱気球、全国出張します ふるさと納税で北海道・上士幌町
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0500R_V00C14A6CC0000/
IT活用で紹介した地域おこし協力隊と同じように、ファン化施策を行うために、やはり
キーパートナーが存在しています!
上記のような交流イベントや町外の人とのコミュニケーション企画に関しては、NPO法人上士幌コンシェルジュの存在が大きいのではと考えています。
NPO法人上士幌コンシェルジュ Webサイト
http://kamishihoro.net/activities/
NPO法人上士幌コンシェルジュは上士幌町内の民間企業の社長が中心となり組織が構成されています。
I
T活用にて紹介した通販サイトも、上士幌コンシェルジュが運営をしているようです。
民間企業がもつビジネスの考え方や専門知と行政の施策を組み合わせ、シナジーを生み出している点は素晴らしいです!
IT活用だけではなく、納税者と直接交流をする場の創出、移住や観光といったモチベーションの高い納税者のニーズに応えるための体制づくりを町全体で、民間企業や外部人材を巻き込みながら実施していることに、上士幌町の成功要因があると考えています。
行政が単独で動くのではなく、事業者やNPOを町の資源として捉えて、巻き込んでいくという視点が非常に大切になってきそうです!
ふるさと納税は、寄付金集めのために特産品を前面的に打ち出し、商品で差別化、顧客にお買い得感を訴求することで成功していることが多いです。
しかし、特産品の魅力だけで寄付金額を集めたとしても、納税者との継続的な関係性を築くことは難しい・・・・
上士幌町は、ナイガイ和牛を中心とした特産品を打ち出し注目を集めていますが、寄付金の使い道に関して選択できるようにする、町としての方針を明確に示すということを行っています!
特に力を入れているのが、子育て少子化対策。
ふるさと納税・子育て少子化対策夢基金がつくられ、10の事業を行うことが決定しているそうです。
※ 詳細URL
上士幌町ふるさと納税・子育て少子化対策夢基金
http://www.kamishihoro.jp/page/00000209
上士幌町子育て支援ガイド
http://www.kamishihoro.jp/sp/kosodate
公式サイトやFacebookにて寄付金の使い道に関して明確に報告されていることも、町としての真剣さが出ており、納税者からは好印象という評価があると言われています。
そして、好印象ということだけで終わらず・・・
これだけ子育て環境が良い環境であれば、住みたい!移住したい!
と思ってもらえるまで、徹底的にファンになってもらうことが、
自治体のマーケティング施策の本当のゴールとなってきます。
上士幌町は、ふるさと納税額をあげよう!という目標ではなく、
・本当に良い町をつくろう
・外部の人が住みたいと思ってもらえるような町をつくろう
という強い職員や市民の思いがあるからこそ、成功しているのだと思います。
上士幌町の住民数は5千人弱であり、2008年のふるさと納税開始したタイミングでは、納税額5万円足らずでありました。
ふるさと納税に取り組み、7年後には4万人以上の納税者が町に魅力を感じるようになり、移住希望者も増えているそうです。
この上士幌町の成果は、シンプルに納税者との関係性を丁寧に紡いできた成果であり、他の自治体でも模倣が可能なモデルであると今回の事例分析から感じています。
自治体がマーケティングに力を入れていく必要があるのは間違えない!!
個人的にこの領域はすごく感心があるので、定期的に自治体の事例分析は行っていきたいと思います!
成功している自治体は何をやっているか?
を知るために・・・
ふるさと納税の成功事例として取り上げられることが多い、北海道の上士幌町を分析してみました。
今回調べてみて思いましたが・・・
ふるさと納税で成功している自治体は、顧客=納税者と丁寧にコミュニケーションをとっています。納税者のニーズに応えることを徹底的に行っています。
やはりWebマーケティング、Webを活用したコミュニケーションは自治体再生には鍵になってくるだろうなと思っています。
今回は、ビジネスモデルキャンパスをもとにした分析から、成功要因の特定をしてみました。自治体やNPOの事業全体像を整理するのにもビジネスモデルキャンパスは役に立ちます。
ポイントはチャネルとカスタマーリレーションの部分にある |
上士幌町の概要 住民一人あたり19万2千円の納税額!!!
上士幌町は、人口5千人弱の住民数でありながら、2015年度のふるさと納税額は全国3位につけています。2015年度の納税額は、なんと・・・9億6千万円に達しています。
また、ふるさと納税額を増やす取り組みのみに終わらず、観光や移住へ納税者を転換するための取り組みも積極的に行っているのがすごいところです。
上士幌町の「ふるさと納税における成功要因」
上士幌町のふるさと納税における成功要因として3つ抽出してみました。- ITを徹底的に活用!
- 納税者をファン化するための丁寧なコミュニケーション! (オンラインとオフラインの統合)
- 子育て・少子化対策とふるさと納税を結びつける!
一つずつ説明していきます。
①IT活用の取り組み
IT活用の全体像
上士幌町では、複数のメディアを運営しており、Webを活用した新規納税者の獲得と、納税者をファン化し、町との関わりを深くしていくための取り組みに力を入れています。
メディア全体像
オウンドメディア と特設サイトをうまく使いこなしています! 民間企業並にITを駆使して顧客のニーズに応えています。 |
===================サイトの詳細はこちらから===================
http://www.kamishihoro.jp/
・SNS
https://www.facebook.com/kamishihorotown
https://twitter.com/kamishihoro
※ ふるさと納税専用アカウント
https://twitter.com/ftax_support
ふるさと納税の特産品に関するお知らせ専用アカウントをつくっている。
・ Blog(かみしろほん.com)
http://www.kamishihoron.com/
・ 特設サイト
通販サイト(十勝かみしほろん市場)
http://www.kamishihoron-ichiba.com/
移住希望者向けサイト(移住com)
http://ijyuu.com/
===================サイトの詳細はこちらから===================
Webでの体験価値やユーザビリティにも徹底的にこだわる!
ふるさと納税の特産品は通販サイトでも購入できるようになっています。通販サイトではクレジットカードの導入、スマホ対応など民間のECサイト同様の対策を行っています。
納税というゴール、特産品を定期購入するというゴール、観光に訪れるというゴール
ユーザーがアクションを起こしやすい、起こしたくなるような動線をしっかりつくっています。
IT活用できる組織・パートナー関係の構築
ここがポイントです。
なぜ・・・
上士幌町は、自治体組織の中で、ここまでIT活用を推進することができたのでしょうか?
1.IT情報担当部署の存在
上士幌町役場企画財政課の中にIT情報担当部署が設置され、2008年からSNS活用に取り組んでいるそうです。Facebook・Twitterの役割を明確に分けており、発信される内容もターゲットを明確に意識して実施されています。
SNSを活用した情報発信は、町の外部の方(とくに、納税者向け)を意識されており、寄付金の活用成果報告や、観光系のコンテンツが作成されているのが特徴的です。
2.地域おこし協力隊
http://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/地域おこし協力隊!おそらくこの外部リソースをうまく活用できていることが
上士幌町のふるさと納税事業(と言っていいかわかりませんが)成功の最大のポイントだと考えています。
通販サイトの構築、クレジットを活用するためのシステム利用などは、地域おこし協力隊の方々が実施をしましたと記載されています。
住民5千人弱の町で、上記のようなIT,Web活用を行うことができたのは、外部リソースを有効的に活用できたからこそ!
自治体やNPOは外部リソースをどのバランスで巻き込みシナジーを生み出せるか? がポイントとなる。 |
②納税者をファン化
・ 上士幌町が行っているコミュニケーション(図1)
ふるさと納税→通販でリピート→観光情報やイベント情報の伝達→継続的なコミュニケーション→移住
継続的なコミュニケーション、町の価値を伝え続けることを戦略的に行っている。
下記に具体的に行われている取り組み(①IT活用以外)をまとめてみました。
1.直接交流の場づくり
納税者との直接交流イベントを行い注目されている。
イベント名:上士幌町ふるさと納税大感謝祭2015 in東京
イベント概要
東京都内のホテルで開催され、町に寄付した人のうち抽選で約1000人が招待された。特産の牛肉や蜂蜜、ジェラートなどが参加者には振る舞われた。自治体単独では日本はじめての取り組みである。
イベントの中では移住希望者向けの説明会も行われ、都内に暮らす納税者と上士幌町の関わりを深めていくためのPR、コミュニケーションが行われた。
参考サイト
http://www.kamishihoro.jp/entry/00002159
2.戦略的に納税者とコミュニケーションをとるためのイベント
上士幌町は、熱気球が町のシンボルとして定着している。町のシンボルを活かし、納税者にお礼をするという意味で下記のイベントが企画されている。熱気球、全国出張します ふるさと納税で北海道・上士幌町
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0500R_V00C14A6CC0000/
キーパートナー NPO法人上士幌コンシェルジュ
IT活用で紹介した地域おこし協力隊と同じように、ファン化施策を行うために、やはり
キーパートナーが存在しています!
上記のような交流イベントや町外の人とのコミュニケーション企画に関しては、NPO法人上士幌コンシェルジュの存在が大きいのではと考えています。
NPO法人上士幌コンシェルジュ Webサイト
http://kamishihoro.net/activities/
NPO法人上士幌コンシェルジュは上士幌町内の民間企業の社長が中心となり組織が構成されています。
I
T活用にて紹介した通販サイトも、上士幌コンシェルジュが運営をしているようです。
民間企業がもつビジネスの考え方や専門知と行政の施策を組み合わせ、シナジーを生み出している点は素晴らしいです!
納税だけで終わらず、直接交流→上士幌町を日常の中に浸透させる ための取り組みが行われています。 |
ふるさと納税だけでは終わらず、直接交流から移住までの動線が設計されている。 |
行政だけで行おうとしない!町全体でシナジーを生み出すという意識と行動が大切 |
納税者をファン化のまとめ
納税者を顧客として捉え、育てていくためのコミュニケーション施策が戦略的に実施されています。IT活用だけではなく、納税者と直接交流をする場の創出、移住や観光といったモチベーションの高い納税者のニーズに応えるための体制づくりを町全体で、民間企業や外部人材を巻き込みながら実施していることに、上士幌町の成功要因があると考えています。
行政が単独で動くのではなく、事業者やNPOを町の資源として捉えて、巻き込んでいくという視点が非常に大切になってきそうです!
③子育て・少子化への取り組みとふるさと納税を結びつける!
ふるさと納税は、寄付金集めのために特産品を前面的に打ち出し、商品で差別化、顧客にお買い得感を訴求することで成功していることが多いです。
しかし、特産品の魅力だけで寄付金額を集めたとしても、納税者との継続的な関係性を築くことは難しい・・・・
上士幌町は、ナイガイ和牛を中心とした特産品を打ち出し注目を集めていますが、寄付金の使い道に関して選択できるようにする、町としての方針を明確に示すということを行っています!
特に力を入れているのが、子育て少子化対策。
ふるさと納税・子育て少子化対策夢基金がつくられ、10の事業を行うことが決定しているそうです。
※ 詳細URL
上士幌町ふるさと納税・子育て少子化対策夢基金
http://www.kamishihoro.jp/page/00000209
上士幌町子育て支援ガイド
http://www.kamishihoro.jp/sp/kosodate
公式サイトやFacebookにて寄付金の使い道に関して明確に報告されていることも、町としての真剣さが出ており、納税者からは好印象という評価があると言われています。
そして、好印象ということだけで終わらず・・・
これだけ子育て環境が良い環境であれば、住みたい!移住したい!
と思ってもらえるまで、徹底的にファンになってもらうことが、
自治体のマーケティング施策の本当のゴールとなってきます。
上士幌町は、ふるさと納税額をあげよう!という目標ではなく、
・本当に良い町をつくろう
・外部の人が住みたいと思ってもらえるような町をつくろう
という強い職員や市民の思いがあるからこそ、成功しているのだと思います。
まとめ
ふるさと納税に取り組み、7年後には4万人以上の納税者が町に魅力を感じるようになり、移住希望者も増えているそうです。
この上士幌町の成果は、シンプルに納税者との関係性を丁寧に紡いできた成果であり、他の自治体でも模倣が可能なモデルであると今回の事例分析から感じています。
自治体がマーケティングに力を入れていく必要があるのは間違えない!!
個人的にこの領域はすごく感心があるので、定期的に自治体の事例分析は行っていきたいと思います!