六本木ライブラリーでたまたま手にとったこの本。 笑顔の国、ツバルで考えたこと――ほんとうの危機と幸せとは 枝廣淳子 英治出版 発売日:2011-07-21 ブクログでレビューを見る» 「ツバル」島がどのように形成されたのか、辿ってきた歴史、日々の生活、教育、政治、直面している社会問題等、多角的視点から島を見つめることで、その国の一側面しか知らない我々に、島の人たちにとって必要な事は何なのか、そして我々諸外国が、この小さな島から学ぶべきことは何なのかが問いかけられています。 さて、ツバル島に関しては行ったことがないのでよくわかりませんが、本書を読んでいて「豊かさって何だろう」 と改めて考えています。 ◆コミュニティの存在 日本人がアジア諸国や日本の地方に行くと、そもそも村のコミュニティが残っていることに衝撃を受けるのだと思います。 がスリランカに行ったときのことを思い出す。 僕がスリランカに行った際のホームステイ先では、夕方になると近所の人たちが通りに出てきて掃除を始める。家の前の路地で談笑して、お寺へ向かう。 スリランカは仏教国なので、地域住民はみんな集まってくる。 30分ほどお寺で瞑想が行われて、終わったら通りすがりの人ほとんどに挨拶をして、立ち止まり話をしながら帰っていく。 自然に近所の人たちが集まって井戸端会議が始まったり、祭りの準備や農作業、漁業などの恊働作業があったりと生活の中には当たり前のようにコミュニケーションが存在する。 コミュニティが残っているとは、住民同士のコミュニケーションが存在するということ。 人と人との関係性の中に、たくさんの笑顔があること、その当たり前の豊かさを失っていることに、僕たちは衝撃を受けるのだと思います。 ◆生活の中にある恊働作業 「笑顔の国ツバルで考えたこと」に記載されている写真には、島の人が海の中でわっかになっている追い込み漁の様子や、島の人たちがボランティアとして教会の修復作業を行っている様子が紹介されています。 この、生活の中に仕事があり、仕事の中に生活がある。 地域コミュニティが残っていると生活の中に恊働作業が存在する。 ◆自分たちの暮らしを真剣に考える