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【読書メモ】マーケティングの神話 消費者の解釈に着目すること

消費者の「解釈」に注目すること。
消費者の「思考プロセスの変化」に注目すること。

消費者が、自社のプロダクトやサービスの意味をどのように「解釈」するか。

ここまで考えて情報設計ができているかを考えていかないといけないなと感じるようになりました。

マーケティングの神話

文化や消費者の認知、解釈といった視点からマーケティングという行為を捉えており
現場の考え方にも活かせる内容が盛り沢山でした。

事例:日産自動車のコミュニケーション戦略

すぐにでも実践できて、プロダクトやサービスのストーリーを伝える戦略として参考になった事例をご紹介。

日産自動車においては、一九八八年五月のシルビアのコミュニケーションの一つのみそは、「最初の三ヶ月にシルビアを買ったお客さんにたいし、そのときまでにクルマ雑誌等々に掲載されたシルビアの記事を全部ファイルにして送った」ことである。

この事例は、プロダクトがもつ意味(価値)を伝え
もっと「知りたい」「関わりたい(使いたい)」「伝えたい」という解釈を引き出して、ファンになってもらうための施策として上手い!

最初の三ヶ月に購入した人=誰よりもシルビアにたいして大きい意味を付与する消費者と位置づけ、
シルビアを使っていることの意味付けをするためにシンプルな施策を打つ。

この事例からわかることは、
ファンになる人は、もともとファンなのではなく、プロダクトやサービスがもつ意味を理解(ポジティブに解釈)したからファンになったとも捉えることができます。


モノの世界を離れるとき、「事実」情報ではなく、「解釈情報」が世界を支配することになる。

ストーリーを伝えるという言葉をよく使いますが
ストーリーが伝えること=消費者にどのように解釈してもらうかを考えることだということがわかります

情報発信する「前段階」が大切



デザイン思考が注目されているのも、文化的な背景からユーザーの心理や認知構造を探っていかないと
差別化は図れなくなっていることを感じる組織が多くなっているからではないでしょうか。

・テプスインタビュー
・フィールドワーク
・KJ法

これらの施策は、消費者がもつコンテキストを理解し、解釈情報まで探るための手段です。


情報を発信することが大切なのではなくて、発信する前のプロセスとして

・自社がもつ文化的意味の可視化
・自社のアイデンティティの確保
・自社の立ち位置の再定義


これらのことを行うことに意味があるんだなと最近気づきました。

・アクセス数増加
・顧客獲得単価の効率化
・お問い合わせ数の最大化

つねに量を増やすことだけを短期的に考えたプロモーションは失敗しやすい。
根っこに、自社の価値をどう伝えていくか、自分たちはどのような文化をつくっていくか
を考える思考があれば、プロモーションの施策はブレない。


だからこそ、情報発信をする前に、消費者の解釈や、文化コードまで考えた
情報設計が必要なのだと思います。


インフォメーションアーキテクチャの分野は、もっと学んで、現場に落としこんでいきたいです。

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