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マーケッターは経済学を学ぶと視点が広がる

最近は経済学の本を読み直している。




経済学部卒業という学歴をもっていますが、経済学の本は読み込んでいなかった。
素直にわからなかったんです。
なんで経済学を学ぶ必要があるのか、経済学ってそもそも何なのか?
ということが。

一方で経営学はわかりやすかった。
戦略や組織の話は、自分が関わっている活動や、何ならサッカーにも考え方が応用しやすかったから。

やはりフレームワークというものは思考を整理するのにものすごく便利であります。

ただ、経営学の理論やフレームワークだけでは限界あるなと感じています。
分析に深みが出ない。


そこで経済学を再度勉強しようと思ったわけです。

経済という枠組みから、組織や事業のことを理解しようとすれば思考の枠組みが変わります。

この組織の動きが経済に与えるインパクトは何だろうか?
市場の動き、顧客ニーズの変化は、他のどの要因と結びついてくるだろうか?

経営から経済という視点の切り替えだけで、自然と出てくる質問が変わります。

しっかりと大学で勉強してきた人であれば当たり前のことかもしれないですが
改めて経済学という分野の重要性を再認識しています。

経済学者は明確な思想、ビジョンをもっている

視点が変わるということだけではなくて、経済学から学べるのは思想やビジョンの必要性。
数式は手段でしかなくて、その根底にある経済学者たちの思想を読み解いていくと面白い。

シュンペーターは企業によるイノベーションの必要性を打ち出しました
ケインズは、政府の金利政策の必要性を打ち出しました。
シューマッハは、スモール イズ ビューティフルの考え方を打ち出しました


自分はどんなスタンスで今の経済と関わっていこうと考えているのか
ということを、過去の偉人たちから学び、考えさせられます。

経済学と経営学、理論と実践、境界を横断する力

マーケッターには、経済という鳥の視点と、経営という虫の視点。それを貫く思想や哲学を持つことが必要だと思う。
自分がやっていきたいことは、学際的、体系的な知識をまとめて実践=クライアントワークにつなげていく。

理論と実践、どちらかではなくて両方を積み重ねていく。
仕事だけでもなく、研究だけでもなく両方。

IDEOも、スタンフォード大学と連携して事業をつくっている。
Googleも社会学者や文化人類学者を組織の中に取り込んでいる。

イノベーションを起こす組織は、分けない。
学術的な分野と実践分野の両方を理解し、横断して統合していく。
そこから新しい知や実践を生み出す。

デザイナー、学者、マーケッター、アナリスト、
第三者の立場で事業に関わる職業だからこそ、ブレない軸やビジョンを
もっている必要があるのだと感じます。

そんなことを経済学者たちの思想に触れながら考えてみました。

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