《「伝わる」のルール》体験でコミュニケーションをデザインする
世界的に有名なクリエイティブディレクターである伊藤さんが書いた本。
その中で印象に残っている言葉があります。
インタラクティブ=WEBではない。「身体性に根ざした体験」を提供できるところに、インタラクティブの本当の可能性がある。
身体性に根ざした体験・・・どういうことだろうか?
著者の伊藤さんは、
仕組みだけでは、インタラクティブな関係は成り立たない。
表現が伴わないといけない、と書いています。
広告の仕事とは、「どうやったら伝わるか」を考えて、表現することです。
自分なりに、伝わるために何が必要なのかを、この本を読みながら考えました。
ただ、行き着いた答えは、ものすごくシンプルです。
ヒント:ネットワークとコミュニティの違い=「思い」
コミュニティとネットワークは違います。コミュニティとは、単なる人と人とのつながりではなく、相手に対する思いを伴うものです。ネットワークは、コミュニケーションには役立ちますが、コラボレーションには役立ちません。むしろテクノロジーの発達が、旧来のコミュニティを分断している側面が大きいと思います。
コミュニティシップ:社会を変える第3の力 ヘンリー・ミンツバーグ
ネットワークとコミュニティの違いは「思い」を伴っているか、ということ。
「思い」がないメッセージでは、ネットワークで繋がっていても、コミュニティを築くことはできない。
なるほど、と思いました。
伊藤さんの言う「身体性に根ざした体験」は、
「思い」を伝える、ということに結びつくのではないかと解釈しています。
広告をみて勉強するより、大黒摩季の方が
大黒摩季の、ら・ら・らを歌う前の会場へ投げかける言葉
歌っているときも、会場に入り込む余白をつくります。
大黒摩季さんの投げかけ方もうまいのだと思いますが、
やっぱり「思い」があるから一体感が生まれるのだと思います。
これは、本当にインタラクティブな関係です。
そう、一方的なメッセージではないんですね。
伊藤直樹さんが手掛けた「伝わる」キャンペーン
いきなり大黒摩季さんを出してしまいましたが、やっぱり伊藤直樹さんのキャンペーンはすごいです。SONYの企業理念に、いつの間にか行き着いている・・・
という感覚です。
ネットワークで結ばれているからこそ
WEBがあるから、メッセージを届けられているような気にもなります。
なんとなく、つながっているような気にもなります。
仕事の中で何かを提案するときも同じだと思います。
こんな企画になってしまっていないでしょうか?
分析することに忙しくなってしまい、思いがなくない企画。
受注に誘導することしか考えていなく、一方的な思い込みで提案している企画。
伝えるという行為には、「思い」があってはじめて成り立つものです。
ネットワークですべてのものがつながる今だからこそ、
改めて、そんな基本的なことを大切にしなければいけないなと、考えさせられました。
インタラクティブな関係をつくるとは?
仕組みをつくることだけではダメ
表現を考えるだけではダメ
「思い」をメッセージの中に埋め込むこと。
「伝わる」ことのルール・・・
たぶん、ルールはありますが、ルールを守っているだけでは伝わらない。
ルールの中に「思い」を込めて仕事をしていきましょう。