「貫徹の志 トーマス・ワトソン・シニア―IBMを発明した男」を読みました。 IBM(インターナショナルビジネスマシーンズ)を世界的企業にしたトーマス・ワトソン・シニア。 不勉強で、IBMの創業者を知りませんでした。 この超巨大企業をどんな哲学をもって創り上げたのかが気になり読んでみました。 丁寧に創業者ワトソンの生き方、執念、頑固、生きがい、企業とは何かという思想が書かれています。 単なるサクセスストーリーではなく、経営とは何か?を深く考えさせてくれる本です。 ワトソンの考える「人材に関して」 IBMの社訓には「個人の尊重」があるようです。 この言葉だけ切り取ればものすごく当たり前の言葉ですが・・・ その思想の背景を本書から読み解くことができます。 ワトソンが「人材」に関して社員に何度も伝えたというストーリー。 大きな紙に、肩書きを縦一列に書き出したのである。 メーカー(The Man ufacturer) ゼネラル・マネージャー(General Man ager) セールス・マネージャー(Sales Man ager) セールス担当者(sales Man ) サービス担当者(Service Man ) 工場長(factory Man ager) 工員(factory Man ) 事務部門マネージャー(Office Man ager) 事務担当者(Office Man ) 次にワトソンは、「 Man 」だけを残してすべての文字を線で消した。こうした工夫をとおして、社内の全員が重要でしかも平等なのだと伝えようとしたのだった。「われわれはみな同じ人間である。・・・肩を組んで団結し、共通の利益のために汗を流そうではないか」 まるで、かつてのヒット曲を飽くことなく歌い継ぐポップスターのように、ワトソンは以後四十二年にわたって、社内の会議やスピーチで「人材とは」を説き続けた。 p61 ワトソンは人材こそすべてだと語り続けていたそうです。 肩書きは所詮肩書きにすぎない。ビジネスで中心的な役割を果たすのは、一人ひとりの人間である。ワトソンはしきりに咳払いをしながら、長々とこの話をした後、こう締めくくった。「結局のところビジネスは人の力にかかっているのだ」 ワトソンは、自