心斎橋から歩く
心斎橋の8番出口から20分程歩いていく。 決して便利と言える場所ではない。 (その理由はD&DEPARTMENTに学んだ人が集まる「伝える店」のつくり方に書いてあるので後ほど簡単に紹介する。) 堀江の家具通りオレンジストリートを抜け、静けさを取り戻したその時にD&DEPARTMENTは現れた。派手なディスプレイはなく、その町・その通りに溶け込んでいるような佇まいである。D&Departmentとは?
良いものを長く大切にする「ロングライフデザイン」を広めることをコンセプトに、デザイナーのナガオカケンメイさんが企画しているお店です。なぜ、この場所に?
最初にも書きましたが、この場所は駅から遠いです。結構歩きました。店舗来店者数を増やすことを考えると、効率は悪いはず・・・でも、これには訳があるのです。不便な場所にあるお店に来る人は、家を出るときから「今日はあの店に行こう」という意志がある人です。通りすがりで、何も知らずにフラっと入るようなお客さんではないのです。意識の高いお客さんを相手に、きちんとコミュニケーションを取れる状況をつくることが、僕らのようなお店にはとても大切になってきます。 D&DEPARTMENTに学んだ人が集まる「伝える店」のつくり方 ナガオカケンメイ意識の高いお客さんを集め、そのお客さんとしっかりコミュニケーションをとり、納得した上で購入してもらう。
ロングライフデザインをコンセプトにするとは、こういうことなのかと妙に納得してしまいました。
過剰な装飾やSALEによって、消費する欲望を掻き立てられることもない。だから、ここは生活と真剣に向き合えるお店なのだと思います。
コミュニケーション・コミュニティが生まれる場
1Fには生活用品や雑貨、2Fには家具、3Fにはカフェ、4Fでは勉強会やワークショップも行われているようです。 その日は開催されておりませんでしたが、4月は益子焼作家・鈴木稔さんのワークショップが店舗1Fにて行われていたとのこと。 面白いのは、このワークショップには、お客さんだけではなく、スタッフ、ナガオカケンメイさんご自身も勉強のためご参加されるとのことです。お客さんが参加できる余地をつくる。 「伝える店」は、こういったお客さんが参加できる余地が必要です。お店が主体となってコントロールする部分は60〜70%の中でお店を経営し、場所代や人件費を払って、収益をあげていくということです。そして、今後は、D&Dがいっそうコミュニティーをベースにする体制を強め、お店に近いお客さんに活躍してもらう領域は増えていくでしょう。 D&DEPARTMENTに学んだ人が集まる「伝える店」のつくり方 ナガオカケンメイ本書にあるように、お客さんは神様ではないというスタンス。
自分だったらD&Dを、こんな風にしてみたい、自分の地域でお店を展開するとしたらどんなことができるだろう、そんなワクワクした気持ちをもって店内を回れるといいのかもしれません。
デザインって、消費されるだけでいいのかなと思った
これが、ナガオカケンメイさんがD&Dを立ち上げたきっかけとなる思いだったそうです。 心斎橋からD&Dに向かう通りには、賑わっている家具屋、雑貨屋がたくさんあります。大阪のブームは、お洒落でお手軽なものだそうです。
日本発の低価格雑貨店「ASOKO(アソコ)」
北欧の100円ショップ「タイガー」
どっちの世界を選ぶかは、消費者が決めること。 無理する必要はないと思いますが、D&Dにちょっと足を運び、店員の方とコミュニケーションをとり、自分の生活と向き合ってみると 普段とは違った「大阪の生活」が見えてくるのかもしれないです。
マーケティング関係の仕事をしている自分にとっても、マーケティングって、消費させるだけでいいのかな・・と考えさせてもらいました。
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