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マーケティング近視眼に陥らないためのシナリオプランニング

マーケティングの仕事をされている方。

近視眼に陥っていませんか?
戦略が設計できていないのに、プロモーションのことに時間もお金も投資して、あれれ・・・となってしまうことがマーケティングの世界では多いと感じています。

マーケティング近視眼

レビットのマーケティング近視眼はマーケッター必読です。
WEBで簡単にお復習いはこちらから

マーケティング近視眼のポイントは「業界定義の誤り」にあります。
レビットの名言
鉄道会社が衰退したのは、経営者の発想が顧客中心(顧客にとっては移動する手段)でなく、製品中心(鉄道という製品事業)にあったからである 「レビットのマーケティング近視眼より」

マーケティング現場でよくあること

さて、マーケティングの現場はこんなことになっていませんか?
・組織内部に視点が集中してしまう
・顧客や市場が見えずに、営業や広告の戦略を設計してしまう
・営業や広告に投資してしまったからには、投資対効果をよく見せたいために、表面的なKPI目標が設定される
・戦略がないが実行部分は頑張る
結果・・・いつの間にか新規参入業者、代替品が現れ市場シェアが奪われる

WEBマーケティングの世界

WEBマーケティングの世界でも同じことが起こっていると思っています。
テクノロジーが進化し、ツールが増えてくると、新しい技術を導入することを頑張ってしまって、戦略設計のことは議論されない。こんなことに陥りがちです。
・このキーワードでSEO順位を10位以内にあげる
・競合が導入している広告予算を調査して、それを根拠に予算を決める・・・
・・・・・・・・・・近視眼に陥ります。

さて、どうすればマーケティング近視眼に陥らないか?

シナリオプランニング

自分は、近視眼に陥らないために、「シナリオプランニング」という手法を活用しています。
戦略をつくってください!と依頼があっても難しい。今まで型がなかったから。
だから、わかりやすい戦術の実行部分に時間も人もお金も投資することになるのですが・・・
シナリオプランニングを活用すると、外部環境を分析し、未来に起こり得る変化を可視化し、今後とるべき戦略がみえてきます。

参考図書

こちらの本が、シナリオプランニングの事例も具体的に紹介されていて、活用イメージを持ちやすかったです。

シナリオプランニングのポイント

シナリオプランニングのポイントを簡単に整理しました。
・課題は戦略計画をつくる段階にあり
戦略策定とは言いつつ売上・利益の数字の議論が先行し、事業のポジショニングや持続的な優位性などの本質論はなおざり。しかも目標数値だけが一人歩きして、計画の前提は組織内で共有されない。   「引用:最強のシナリオプランニング―変化に対する感度と柔軟性を高める「未来の可視化」」

・シナリオプランニングに基本的な考え方
シナリオプランニングは計画を作り込むのではなく、未来のシナリオを複数パターン描き、シナリオへの適応方針を議論します。
Before(これまで)
未来を予測し、対応する計画を作り込む。
After(これから)
未来の変化の道筋(シナリオ)が3つ考えられるなら、それらを可視化し、それぞれのシナリオが起こった時にどんな対応を取ることが適切か、と議論を進める。

シナリオプランニングのやり方

最強のシナリオプランニング―変化に対する感度と柔軟性を高める「未来の可視化」にまとめられているフレームワークをまとめてみました。

活用イメージはいくつかWEB上で公開されている図をピンタレストボードにまとめてみました。

まとめ

①自分、組織がマーケティング近視眼に陥っていないかは意識的に確認する
②マーケティング近視眼に陥らないためにはシナリオプランニングの手法はヒントになる
③思考を広げるために無理やりフレームワークを使うことがオススメ

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