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【読書】Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学

Think Simple―アップルを生みだす熱狂的哲学を読む。



中・長期=3ヶ月のスピード感覚で


「中・長期的にプロジェクトを動かしましょう」と言うときがありますが、
ほとんどが実現されません。

3ヶ月でプロトタイプもつくれないプロジェクトであれば、そもそも取り組む必要性もそこまで感じていない、ただの言い訳プロジェクトです。

実現する気もなにのに、プロセス設計には時間をかけ、分厚い企画書が出来上がる。
そろそろこういうのやめたい。

プロセスが王様のときに、アイデアはけっして王様になれない。プロセスの段階を増やせば増やすほど、完成品の質が悪くなることは、<常識>を働かせればわかるだろう。

Think Simpleは以前から読んでいましたら、改めてイノベーションを起こすためには「スピード」が大切だと感じ、改めて読んでみました。


すぐつくること VS 計画をたてること


Think Simpleの中では、アップルとデルの比較がされている。


アップルは、すぐにキャンペーンを始めたがった。
デルは、数ヶ月のスケジュールをじっくり練った。

アップルは、一ヶ月でキャンペーンを考えて作り上げた。
デルは、戦略を話し合うだけで一ヶ月かかった。

アップルは、Think differentキャンペーンを完成させた。
デルは、大量のプレゼン用のパネルを完成させたが、それらは暗いロッカーにきちんとしまわれた。


プロジェクトという言葉を使うときに、時間軸をもう一度見直すべきだと思っています。


偉大なことをなし遂げるには、ふたつのことが必要だ。計画と、十分ではない時間だ。


プロセスの設計に時間をかけている間に、ユーザーのニーズは変わっている、市場は変わっているということをもっと意識しないといけないと思います。


リーンの考え方


リーンアナリティクスをO'Reilly Japanのサイトで購入する。
「リーン」の考え方も、Think simpleと共通している思想があると思います。


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