スターバックスは、なぜ他のコーヒーチェーンとは差別化を図ることができたのか?
最近はスターバックスを利用する回数が増えてきていて、スターバックスのサービスレベルの高さに驚かされることが多いです。
・タンブラーを眺めていると15秒ほどで店員さんが声をかけてくれます。
・コーヒー豆を購入するときには、豆の特徴や飲み方まで物凄く詳しい解説がつきます。
フランチャイズチェーンであるにも関わらず、ここまでサービスレベルの高さを維持し、激化するコーヒーチェーンとの競争に勝ち続けられる秘密は何だろうか?
気になって読んでみた2冊の本
この2冊の本をAmazonで即購入。
スターバックス再生物語〜つながりを育む経営〜
スターバックスを世界一にするために守り続けてきた大切な原則
ビジネス哲学や、思いや、計画していることを一緒に働く仲間に素直に語るのは、一九八六年以来、わたしの習慣となっている。これはスターバックスのCEO、ハワード・シュルツさんの言葉。
コーヒー、第三の場(サードブレイス)の根底にある哲学が、自身の言葉で語られる。
「スターバックス再生物語」には、スターバックスのCEO、ハワード・シュルツが「変革のアジェンダ」と名付け、パートナー(従業員)に送ったメモを紹介されている。
この「変革のアジェンダ」の中には、具体的な経営戦略ももちろん含まれていますが
理念や哲学を共有すること、日々の業務を哲学に結びつけていくことを徹底していることがスターバックスの成功の秘密なのではないでしょうか。
実際にスターバックス内で変革のためにつかわれた「言葉」をいくつかご紹介。
変革に向けた言葉
CEOへ復帰した時にパートナーへ送った言葉
パートナーの皆さんへ
このメモは、フレンチプレスを使って淹れたおいしいスマトラのコーヒーを飲みながら、書いています。(現在午前六時三〇分)愛する会社のCEOに復帰して三週間が過ぎました。ここでわたしが真実だと認識していることを知らせたいと思います。
一九七一年以来、倫理的に調達され、焙煎された世界中のアラビカ種の豆を扱ってきました。スターバックスは人間の心の琴線に触れるビジネスです。これまでもずっとそうでした。わたしたちの店は地域社会における第三の場となりました。そこでは一日に何万回という人と人とのふれあいがあります。わたしたちはスターバックスの目的を改めて理解し、お客様の体験向上に焦点を合わせ、基本に戻り、コーヒーの権威としての地位を取り戻さなければなりません。冷笑や批判もあるでしょう。様々な意見や見方があるからです。しかし、大切なのは、彼らのことでもライバルのことでもありません。もちろん、ビジネス環境やそれぞれのお客様の選択には注意を払わなければなりません。
わたしはスターバックスがこれまで占めていた地位を取り戻すつもりです。しかし、そのためのすべての段階で、皆さんの助けと支援が必要です。皆さんには多くを期待しています。そして、わたし自身にもさらに多くを課しています。皆さんのパートナーであることを誇りに思います。わたしたちならきっと実現できます。
従業員を解雇しなければならなくなったときに、パートナーへ送った言葉。
わたしには光が見えます。すべきことがわかっています。立ち上がり、やらなければなりません。やらなければならないのは、問題を解決する答えを見つけることです。大切なことに注力し、不適切なことに時間と金を浪費するのをやめることです。大切なのは、わたしたちが直面する問題の解決策を求めることであり、これまで気づかなかったことに関心をもち、より良く、賢く、効率的な方法を探し、改革と革新を推し進めることです。これは会社にとって、ここに集まっているわたしたち一人ひとりにとって、真の試練です。わたしたちが成功できる理由は、過去にわたしたちが成功してきた理由と同じです。株価もマスコミも関係ありません。わたしたちが信じるもの、わたしたちが守ろうとするものがわたしたちを成功に導くのです。わたしはこの会社の将来を信じています。なぜなら、皆さんを信じているからです。
パートナーからシュルツさんに送られた言葉
ハワードへ
あたなのボイスメールを聞き、新聞やブログの記事を読みました。多くの人があなたが行った決定に対して不安と失望を表しています。しかし、あなたが信じているパートナーが、まだたくさんいることを知ってほしいのです。わたしはスターバックスで働いて一一年になるので、偉大な企業であり続けるためには、難しい決断を下し、犠牲を払わなければならないということもわかっています。わたしたちが正しい道を進み続けるために行われた決断を信じています。わたしたちはこれまで以上に精進し、注意を払い、努力を重ねて前へ進んでいかなければなりません。わたしたちは担当する店舗を訪れるとき、店長だけでなく、すべての従業員と研修や体験について話し合い、彼らの意見を求めるようにしています。そして、わたしたちが現在、経験していることについて説明し、過去になかった試練に直面してはいるものの、これまでにスターバックスが逆境にありながら、正しいことを行うために努力し、ミッション・ステートメントに恥じない決断を下してきた例を無数に見てきたを話しています。わたしに理想の仕事を与えてくれる会社を築くために、あなたが行うことすべてに感謝します。ときには辛いこともありますが、わたしの人生を変えてくれた人、わたしが人生を変えることができた人みんなのことを考えると勇気づけられます。わたしたちは他の企業とは違うのです。働く者にとっては、業界で最高の企業です。素晴らしい未来が来ることを心から信じています。
Onwardオンワード
本の表紙にもなっている「Onward(オンワード)」=未来へシュルツさんのメモは、「オンワード」=未来へと結ばれ、パートナーに共有される。
わたしたちの歴史の力と未来の可能性を表し、情熱と計画性を示しながら、手ごわい問題を克服して前進するための自信を呼び起こす言葉。進んで両手を泥だらけにして地面を深く掘りつつ、常に頭を高く上げていられる言葉である。「未来へ(オンワード)」
スターバックスが再生したのは、フラペチーノというアイデアや、第三の場というコンセプトだけではなくて、パートナー全員が、スターバックスの哲学を共有していることにあったのではないかと思います。
その背後にあったのは、理念を壁に貼られた言葉で終わらせなかった
CEOシュルツの本物の言葉があったのだなと考えさせられました。
仕事でどんな言葉を使っているか
スターバックス再生物語から考えさせられたのは、「言葉の力」について。普段の仕事で、チームメンバー、クライアントにどんな言葉を使っているだろうか?
チーム内の共有は、事務的なこと、報告・連絡・相談、だけになっていないだろうか。
クライアントには、定型文が固められているだけになっていないだろうか。
自分たちの言葉で、自分たちが仕事で大切にしていることを共有できているだろうか。
もう一度見直したいなと思います。
さらにもう1冊
スターバックスCEOだった私が社員に贈り続けた31の言葉
CEOであった岩田さんは、一人ひとりが「ミッション(役割)」を意識してほしいという考えから、毎週月曜日に一人ひとり違う手紙「マネジメントレター」を送っていたそうです。
スターバックスには、想いを共有する文化が根付いている。
だからこそ競争が激化するコーヒー市場でも差別化を図り続けることができるのかもしれません。
スターバックスのソーシャルメディア活用
最後は自分の本業にもつなげてみます。スターバックスは、デジタル分野のコミュニケーションも参考になります。
スターバックスのデジタルマーケティング戦略
社内コミュニケーション、社外コミュニケーション、オンライン・オフラインコミュニケーション・・・スターバックスから学べることはまだまだありそうです。