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グリーンネイバーフッド 米国ポートランドから学べる3つのこと


Portland









ポートランドというモデル都市発見

ポートランドというやけに魅力的に思えるモデル都市を発見しました。

都市に暮らす僕たちはどこに向かっていくのでしょうか?
東京をこんな町にしたいというビジョンは描けているのだろうか?  

そんなことを考えているときに手にとったのがこの本。
地域ではなく、都市という視点で、どのように地域をつくるかを学ぶ上では非常に参考になると思います。
  



 「グリーンネイバーフッド」とは著者が名づけたポートランドの都市生活像。
ポートランドはアメリカの西海岸に位置し「全米で最も環境に優しい都市」全米で最も美しいレストランが集まる都市」「ベストデザイン都市全米5位」
などに次々と選ばれ、注目を集めているそうです。 

「アーバンネイバーフッド」
「クリエイティブシンカー」
「エコキュービリアン」 

本書では3つのキーワードを軸にポートランドに住まう市民がどのようなライフスタイルを送っているのかが写真とともに紹介されています。


ポートランドの特徴はこちらのサイトにもまとまっていますのでご参考までに。


ポートランドから学ぶ3つのこと

自分なりに、ポートランドから日本の都市が学びたい3つのことをまとめてみた。

①「都市づくりのための制度」都市成長境界線

オレゴン州の土地利用制度「都市成長境界線」というものがあります。

「オレゴンの利益は、土地の貪欲な浪費家たちから守らなければならない」とする、かつてのトム・マッコール州知事の演説に端を発して定められた制度がある。 

この制度が根っこにあるから、自然と都市が共生し、自転車と徒歩を中心に暮らせコンパクトな町が形成されている。 

町並みのデザインを統一するための法律が必要なのだろう。
都市成長境界線に関する詳細はこちらのサイトに。

②デベロッパーの審美眼とビジョン

日本のデベロッパーは投資目的の土地利用を第一に考えて動いているイメージしかない。

デベロッパーが市民の声を聞き、100年後、200年後を見据えた都市づくり、まちづくりを行なっていかないといけないのではないだろうか?

以下はポートランドのデベロッパーの言葉
「私たちはアーバン・リビング・エクスペリエンスとセンス・オブ・コミュニティをここに実現しようと考えました。一般のデベロッパーであれば、個々の建物開発に注力すべきところを、私たちはビルド・ザ・アーバン・ネイバーフッドをコンセプトにして掲げたのです」
カタカナが多いですが、建物・物件という単位ではなく、都市づくりのコンセプトをもって開発に取り組んでいることがポイントだと思います。

③市民の自治意識

これはポートランドに地域づくりの研修へ行った友人から聞いた話。

 州を囲む外側に高速道路をつくるという話が持ち上がった時に、市民は猛烈な反対運動を起こし、その計画を廃止させたという。
この市民が立ち上がるという自治意識がコミュニティ形成に重要。自分たちに気に入るものがなければ、自分たちで作ればいい。自分たちの暮らすチキは自分たちでつくっていくという精神が素晴らしいです。


大切なのは都市に対する危機感ではないか?

東京は、統一感なくつまらない町並みが形成されていっていること危機感なく暮らしてしまう自分たちが一番の問題なのだと思う。

自分たちの生活のまわりに起きていることに疑問をもたずに暮らし続けていては、よそ者に頼ったまちづくりしかできない。

なぜ、ここの開発が進んでいるのだろうか?
この開発が自分たちの生活にどんな影響を与えるのだろうか? 

こういった自治意識を育て、生活を創り出していく文化をつくっていくことが大切だと思います。

最近は、安田不動産が学生マンションが拠点となり地域をつくるワテラスという取り組みを始めていることが興味深いです。 

理想の都市像を描き、市民で共有し、声を上げていく。そのプロセスの大切さを学べる1冊です。

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