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マッキンゼーをつくった男 マービン・バウアー

このようなプロフェッショナルな姿勢をもって働きたい。

「プロフェッショナル」とは何かを、ここまで明確に示している本はないと思います。
仕事に取り組む姿勢を大きく変えてくれる素晴らしい1冊です。


エリザベス・イーダスハイム
ダイヤモンド社
発売日:2007-03-02
マッキンゼーをつくった男マービン・バウアー
コンサルタントという職業を世に定着させた男マービン・バウアー

本書ではマービン・バウアーとはどのような人間なのかを、クライアント先であったCEOやプロジェクトを共に進めたマッキンゼーのメンバーからのインタビュー、マービン自身の言葉をもとに紹介されている。
マービンはコンサルティングの仕組みをつくり、理念を掲げ、それを職業として確立し、世界中の経営者に影響を与えた。

プロフェッショナルとは?コンサルタントとは?深く考えさせてくれるマービンの言葉の数々。
「コンサルタント」と名乗っている人には必読書になるのではないでしょうか?
































見習いたいのはプロフェッショナルとして最高の仕事をし、クライアントとの信頼関係を築くことの大切さ。
そんな難しいことは書いてありません。ものすごくシンプルです。
ものすごくシンプルな倫理観や考え方も「徹底する」のは簡単なことではないです。

「徹底した組織をつくる」
これがリーダーの仕事になってくるのだと、本書を読んで感じました。

マービンが掲げた倫理規範や行動指針

ものすごくシンプルです。


プロフェッショナルとしての職業倫理に根ざしたリーダーシップ(P45)1 顧客の利益を最優先する2 つねに耳を傾ける3 事実に立脚する4 行動に結び付ける5 各人に最善を尽くさせる6 職業倫理を徹底させる

リーダーとしての資質(P154-155)・誠実さ・現実的・高い規範・他人の尊重・コミュニケーション能力・配慮と献身


あなたは、クライアントからどんなフィードバックをもらいますか?

企業経営者が荒波を乗り切る羅針盤とすべきものは価値感であり倫理観であると信じ、それを浸透させることに尽くした、マービン・バウアー。

ほんとうにクライアントのためになることを最優先しなければならないと信じ、それを実行し、組織に浸透させた。

一流のクライアントから以下のような言葉が出てくるのでしょう。

自分たちはクライアントから、どんな言葉をフィードバックしてもらうだろうか?

そう考えながら以下の言葉を読んでみるといいと思います。

ジョン・H・マッカーサー(元ハーバード・ビジネス・スクール学院長)マービンが先駆者だったのは、経営コンサルティングというコンセプトではない。人間の基本的な価値観をビジネスの世界に持ち込んだこと、これが新しかったのだ。企業経営者が荒波を乗り切る羅針盤とすべきものは価値観であり倫理観であると信じ、これを浸透させることにつくした。

ヘンリー・ストレージマービンの行為を思い出すたびに私は感動してしまう。パートナーはファームの株式を5%以上保有してはならないという決まりを、彼は自らつくった。その結果、自分の保有株をばかばかしいほどの安値で手放すことになった。よくは知らないが、たぶんマービンは株式の50%から60%を持っていたと思う。あんなことをやってのける人間がほかにいるとは思えない。信じられるかい「私はファームの存続を願っている。よってパートナーは5%以上の株式を保有してはならない、したがって私は自分の持っている株を簿価で譲ることにする」と平然と言ったんだ。

ジェフリー・ソーネンフェンド偉大な経営者、マービン・バウワー、トーマス・J・ワトソン、アルバート・ゴードンは感謝し満足して会社を去り、自ら築いた組織を後継世代に快くバトンタッチしている。どの人も会社に強い愛着を持っていたが、肩書きにはこだわっていない。残された組織は大きくなり堅実な業績を収めている。彼らの姿勢は国王や将軍にもまさる。

レオ・F・マリン(デルタ航空会長兼CEO)哲学者ラルフ・ワルド・エマソンは「偉大な組織には一人の人間の思想が反映されている」と言った。これはまさにマッキンゼーとマービン・バウワーに当てはまる。

ルイス・ガースナー(IBM会長)ビジネスに関してマービンから教わったことは、行動規範の大切さだ。しっかりと規範を浸透させることは、規則で縛るよりずっと効果がある。

もう一度、自分の仕事を見直し、マービンのような偉大なリーダーに近づけるよう誠実に高い規範をもち、丁寧にクライアントと向き合っていこう。

僕たちの仕事の対価として返ってくる言葉は、どんなものだろうか?
そこをイメージするだけでも、普段の仕事に取り組む姿勢が変わってくるのではないでしょうか?

プロフェッショナルとは何か?

経営コンサルタントという職業をつくった人。
経営コンサルタントの仕事は何のために存在しているのか?
ということを明確な言葉として残した人。

そんな、マービンから学んだことは

①自分の仕事を定義すること

②ブレない行動指針をつくること

③愚直に実行すること

仕事が社会に対して、クライアントに対して、自分に対して
どんな意味をもっているのか?
その答えを深く深く考えることの大切さをマービン・バウアーは教えてくれた。

マービン・バウアーに関する記事まとめ

【マービン・バウアーが残した言葉】
http://www.mckinsey.co.jp/mission/marvinbower.html

【マービンバウアーに学ぶ】
http://effectiveness.jp/classics/06.html

少しでも、偉大な先人に近づけるよう、今日も丁寧に仕事に向かおう。

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