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【読書】あなたには夢がある 小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡

貧困地域でアートを通じた職業訓練をおこなうマンチェスター・ビッドウェル・コーポレーション。 その創業から、人々を巻き込み、子供たちや地域に変革を起こしてきたストーリー。 財団法人たんぽぽの家 のエイブルアートムーブメントと重なる部分もあり、「アートとは何か」「アートが人に与える影響力と可能性とは何か」を考えさせてくれる本です。 あなたには夢がある 小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡 ビル ストリックランド 英治出版 発売日:2008-12-02 ブクログでレビューを見る あなたには夢がある 小さなアトリエから始まったスラム街の奇跡 アート教育や職業訓練を通じて、非行少年や犯罪者、ホームレスや貧困者など、数多くの人々を立ち直らせ、生きる希望を与えつづけてきた起業家、ビル・ストリックランド。 彼はマンマンチェスター・ビッドウェルとは、貧困地域の子供達に教育プログラム、成人には職業訓練を提供するセンターを創設しました。 印象に残った言葉をメモ 「(このセンターは、よくできた避難の場だと思います。ここには秩序と安らぎ、落ち着きと楽観がありますが、生徒たちはそうしたものを実生活では味わえません。貧しい人たちは、美を生み出すのが不可能に見える世界で暮らしています。私たちはそれを可能にします。こういう場所にいると、世の中について、最終的には自分の将来について、それまでとはまったく違う見方ができるようになるのです。)」p25 ちょっと振り向けば、そのたびに何か美しいものが目に入る。そんな状態にしたいのです。ですから、センターの廊下やロビーには、タペストリーやアフリカの彫刻、技巧を凝らした写真など、世界各地の優れたアーティストの作品が飾られています。p26 芸術は架け橋です。より大きな世界、さらに幅広い経験ができる世界への架け橋なのです。路上で生活していた貧しい少年たちが、よい絵を見たいからといって必ず芸術を愛するようになるとは思いませんが、人は芸術に接することで、変われると思います。芸術は骨の髄まで染み込みます。体中の骨の髄まで。そうやって、芸術は私たちの人生に影響を及ぼすのです。私は芸術の影響、芸術の不思議な力を見てきました。うちの生徒たちは、「自分にはできない」と

学生だからこそ無茶なことを! 白金アンテナの実践 

現在、大学の授業にて実践中の白金地域活性化の企画を立案している。 進めている企画は学生が白金の魅力を発見し、それを学生向けに発信していくという単純なこと 今後、情報発信を考える上で参考になりそうなマーケティングの考え方をまとめておく 情報発信(特にWEBを活用する場合) ・アイデアの意図と目的を一目でわかるように明確に示す ・関連性のある情報を示し、つながりを生み出すこと ・実用性があり、役に立つコンテンツを作成する。実用性または問題解決をソーシャルオブジェクトに埋め込む ・共有の後に何が起きるかを計算する 一方的に情報を発信するのではなく、「共感」してもらえるような情報を発信すること 地域、学生にとってメリットがあるような情報を発信すること 情報を受信した人にどのようなアクションをとってもらいたいのかを明確にすること まとめると 「共感」 「問題解決」 「共有後のアクション」 これらのことを考えながら実行していきたいと考えています。 ソーシャルマーケティングの考え方は参考になりそう ソーシャルマーケティング、または、マーケティング全般にとって重要な3つのポイントは 1)贈り物を特定し、定期的にオーディエンスに与えること 2)広告ではなく、本物の贈り物として受け取ってもらる点を確認すること 3)プロセスの開始点に何があるのかを特定すること ソーシャルオブジェクトをバイラル化する上で重要な点 1)関連性のあるコンテンツを作成する 2)流行仕掛け人とインフルエンサーを特定すれば、適切なオーディエンスに声を届けやすくなる 3)キャンペーンを公式に導入する前に彼らをプロセスに関与させるーシーディング (リリースされる前の段階での交流が重要) 4)彼らが説得しようとしている人物の共感を得るー感情面のつながりを得る 5)知り合いとコンテンツを共有するよう促す 6)その見返りを与える 7)交流後に閲覧者に取ってもらいたい行動を明示する 8)自己表現ができるようにフォーラムを提供する 9)協力してくれた人すべてを評価する 10)今後の交流のためにすべての関係者を一つにする 最後に・・・ 「あなたの業界で、誰もやろうとしていないことは何なのか?どこまでクリエイティブに考え、ユニークな何かを実行す

共同体とコミュニティについてのメモ

共同体やコミュニティって何のために必要なのだろうか  マズローが著者「完全なる経営」で述べていた言葉 「人間の本性はどれほどいい社会を築き得るのか、社会はどれほどいい人間性をもたらしうるのか、社会の本性はどれほどいい社会を実現しうるのか、ということである」 「個々のセラピストの力ではどうすることもできないような問題でも、良き共同体、良き組織、良きチームが解決してくれるのである」 より良い組織、良い共同体をつくること、いわゆる「自治」の取り組みが必要だということ 「自律した個人」を目指すだけではなく 個人の先にある、共同体、さらにその先にある社会とのつながりを意識できるかが働きがいや生き甲斐を考える上で重要だと考えている 社会→組織→個人という時代から 個人→組織→社会という方向に流れが変わってきているのかと 宮沢賢治は著書「農民芸術概論」にて 「「嘗てわれらの師父たちは乏しいながら可也楽しく生きていた/そこには芸術も宗教もあった/いまわれらにはただ労働が生存があるばかりである/宗教疲れ近代科学に置換され然も科学は冷たく暗い/芸術はいまわれらを離れ然もわびしく堕落した/・・・/いまやわれらは新たに正しき道を行きわれらの美をば創らねばならぬ」  と述べている もう一度、自分たちの生活や仕事の在り方を見つめ直し、宮沢賢治が言う「われらの美」とはどういうことなのかを考えていくこと そして、生活や仕事の中に美を見いだすことができるような共同体が必要なのだろう

入門経済思想史 世俗の思想家たち

漠然とソーシャルビジネスを捉えすぎているなと思う。なぜソーシャルビジネスなの?何のため?その背景にあるものって何なの?そもそもソーシャルって?ビジネスってなに?それを支えている経済はどうなっているの?もう少し深く考えていかなければいかない。 どのように現代社会を見るか。 資本主義、市場システムの限界に対してソーシャルビジネスという言葉の登場。いま、なぜソーシャルビジネスという言葉が注目されているのか。市場システムの限界とはどこにあるのか。私たちは今後、どのように資本主義経済と関わっていくべきなのか。このようなことを考えるときに、歴史を考え直す必要が出てくる。資本主義の根本的な部分に疑問を持たずに漠然と生きていくことは非常に危険なのではないだろうか。経済とは何か?私たちはどのような思想を背景に生きているのかを考える。これが、今後1カ月くらいのテーマになると思っている。本文中に「経済学の中心をなすのは、社会の歴史の秩序と意義を探求することである」とあるが、これから「歴史の秩序と意義の探求」を始めたいと思う。 「入門経済思想史 世俗の思想家たち」 入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫) ロバート・L. ハイルブローナー 筑摩書房 発売日:2001-12 ブクログでレビューを見る» 第一章 本章では、経済学の歴史を形成してきた思想を巡り、中世における資本主義の誕生を読み解いていく。まず題名にある、世俗の思想家とはどのような人たちのことだろうか。 「(これらの人たちを結びつけたのは、彼らの人格でも経歴でも偏見でもなければ、彼らの思想でさえなかった。・・・以下略・・・彼らは思想体系の中に、人間のあらゆる活動の中でもっとも世俗的な行動である富への衝動を組み入れようとしたからである)」 アダムスミスは人間が社会の存立を維持するためには3つの方法があると考えていた。 1)伝統に基づいて人間社会を組織する⇒伝統 2)独創的支配という鞭を振るうことで必要な仕事がうまく行われるようにする⇒命令 3)各人は金銭的に見て自分にいちばん有利なことをしなさいという考えを根付かせる⇒市場システム この3)の方法が一般的になったことが経済学の登場に結び付いた。 しかし、市場システムの考え方はそう簡単には社会に受け入れられなかった。 それまで何世

【読書】トムピーターズのマニフェスト

トムピーターズのマニフェストを読みました。 デザインが蔑ろにされている現代のビジネスを切れ口のある、そして怒りを訴えるよな言葉で批判する。デザインとは何か、なぜデザインなのかということを考えさせられる本である。 われわれはみんなデザイナー 財務部に求められるのは数字を処理できる人間ではなく、詩人であり、JAZZの演奏家であると著者は言う。プレゼンテーションの資料、企画書、メール一つをとってもデザインの要素が含まれている。私たちは生活や仕事のなかにあるデザインを無意識のうちに放棄してしまっているのかもしれない。もう一度思い出そう。私たち一人一人がデザイナーであり、詩人であるということを。自分自身をデザイナーととらえることができれば身の回りのもの、普段何気なく使っているものに対する考え方が変わってくる。そして美しさを追求するのだ。 デザインはいつのまにか無視され放置されている。もっと効率をあげられたのではないかとう話と同じように、もっと美しくできたのではないかという話が出ていいのではないか。 経験 行動するデザイン 生み出すのは満足や、快感ではなく、記憶に残る経験。人の心を揺さぶるものを作ろうとしているか。機能的に優れているものではなく、特別なものになるよう意識できているか。「経験」という言葉をもっともっと深く考えなければいけない。 ブランドの力 ブランドは見せ物ではない。感情的なつながりである。 効果的なブランディングとは、外面的というよりも、ずっとずっと内面的なものだ p124 ブランドとは「あなたは何者か」という問いに答えるものである。ブランディングとは精神の実像である。 仕事や生活をつまらなくしているのは、このアイデンティティの喪失なのだろう。外面的なものにこだわりすぎて、内面に深く掘り下げていくことをやめてしまう。私は何者なのか?なぜここにいるのか?なにを主張したいのか?内面に深く探ったところからでてきたものがブランドとなり、アイデンティティを形成するのだろう。 [壮大のビジョンがあってこそ] デザインは単にきれいなものではなく、美しく、興味深く、刺激的な世界が生まれるものである。魂の居場所である。 そもそも、デザインとアートに境界線などないのかもしれない。デザインにもアートと同じく魂が必用であるのだ。

大国インドの福祉を学ぶ 必要なのはコミュニティへのアプローチ

卒業旅行も兼ねてインドへ行って来ました。 ぱれっとのつながりのある団体でボランティアに参加させてもらい、絶対に日本ではできない壮絶な経験もさせてもらいました。 以下はぱれっとつうしんに載せてもらった文章です。 ●サマダーンでのボランティア サマダーンでは特別教育とリハビリテーションの2つのプログラムにボランティアとして参加しました。プログラムに参加する子どもたちは比較的重度の障害をもっていて、言語表現が得意で はなく、聴覚障害のある子どももいます。プログラムではパズルを使って物の名前を覚えたり、ボールやトランポリンを使って身体を動かしたりということをしていました。教育の専門スタッフがおり、言語表現が得意ではない子どもに対してはスピーチセラピーを行なうといった、一人一人の障害に合わせたプログラムをつくっているようです。長期間のリハビリテーションや教育によって子どもたちが笑顔でコミュニケーションをとるようになったと語るスタッフの姿が印象的でした。 ●コミュニティ全体へのアプローチ 町の至るところにスラムが存在し、停車している車に近寄って物乞いをする子どもたち。大国インドが抱える問題は複雑で、障害者問題、ホームレス問題と別個に捉えることができないのだと思います。すべての問題がつながり合っていて、障害者が抱える問題を解決するためには、コミュニティ全体へのアプローチが必要です。サマダーンは子どもたちへの支援の他に、その親や地域住民に対する支援や教育も行なっています。サマダーンでは母親が働く場として手工芸品や、スパイスをつくっています。障害者に対する差別や偏見の多かった30年以上前から、教育の場、働く場をつくり、障害者が排除されることのないコミュニティを作り出すサマダーンの活動を見学することで、当事者や親など一人一人と真剣に向き合う、草の根の活動の大切さに改めて気付かされました。 ■大国インド 今回の訪問では、インドの障害者が置かれている問題だけではなく、日本と比べようのない大きな「格差」というインドが抱える社会の問題に衝撃を受けました。物乞いや路上生活者が生活の中に当たり前に存在している。そのような環境の中で地に足をつけて活動するサマダーンの事業から多くのことを学ばせてもらいました。