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【読書】トムピーターズのマニフェスト

トムピーターズのマニフェストを読みました。

デザインが蔑ろにされている現代のビジネスを切れ口のある、そして怒りを訴えるよな言葉で批判する。デザインとは何か、なぜデザインなのかということを考えさせられる本である。

われわれはみんなデザイナー

財務部に求められるのは数字を処理できる人間ではなく、詩人であり、JAZZの演奏家であると著者は言う。プレゼンテーションの資料、企画書、メール一つをとってもデザインの要素が含まれている。私たちは生活や仕事のなかにあるデザインを無意識のうちに放棄してしまっているのかもしれない。もう一度思い出そう。私たち一人一人がデザイナーであり、詩人であるということを。自分自身をデザイナーととらえることができれば身の回りのもの、普段何気なく使っているものに対する考え方が変わってくる。そして美しさを追求するのだ。
デザインはいつのまにか無視され放置されている。もっと効率をあげられたのではないかとう話と同じように、もっと美しくできたのではないかという話が出ていいのではないか。

経験 行動するデザイン

生み出すのは満足や、快感ではなく、記憶に残る経験。人の心を揺さぶるものを作ろうとしているか。機能的に優れているものではなく、特別なものになるよう意識できているか。「経験」という言葉をもっともっと深く考えなければいけない。


ブランドの力

ブランドは見せ物ではない。感情的なつながりである。
効果的なブランディングとは、外面的というよりも、ずっとずっと内面的なものだ
p124
ブランドとは「あなたは何者か」という問いに答えるものである。ブランディングとは精神の実像である。
仕事や生活をつまらなくしているのは、このアイデンティティの喪失なのだろう。外面的なものにこだわりすぎて、内面に深く掘り下げていくことをやめてしまう。私は何者なのか?なぜここにいるのか?なにを主張したいのか?内面に深く探ったところからでてきたものがブランドとなり、アイデンティティを形成するのだろう。

[壮大のビジョンがあってこそ]
デザインは単にきれいなものではなく、美しく、興味深く、刺激的な世界が生まれるものである。魂の居場所である。
そもそも、デザインとアートに境界線などないのかもしれない。デザインにもアートと同じく魂が必用であるのだ。

そこにあるのは製品やサービスではなく、経験だ、夢だ。
p106
結局、夢を語れること、言語化して具体的なイメージができることは現実になる。だから頭の中にある辞書を組立て直す必用がある。

このオレンジの情熱的な本が私に与えている経験こそが、トムピーターズが伝えたいことだ。
刺激的で、ユニークで、記憶に残る経験を提供する。

トムピータズのパッションを動画で味わいたいかたはこちらから。

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