文化の力 カルチュラル・マーケティングの方法 青木貞茂
著者の青木さんは、広告会社に勤めた後に、大学で文化的な視点からブランドや広告について研究をし、マーケティングと文化の間にあるものを理解し、探求し、新たなマーケティング原理としての「カルチュラル・マーケティング」を提唱されている。
ペルソナ・シナリオ法、スケッチボードなどの手法などの方法論が紹介されたりしますが、重要なのは一つひとつの手段ではなく、人を取り巻く環境=文化を想像する力である気がしています。
まずはマーケッターは普段の使う言葉から変えていく必要がある。
言葉一つをとっても、その人のユーザーとの向き合い方=仕事観みたいなものんががわかります。
自分たちが発信する情報や、ローンチするプロダクトがユーザーにとってどんな意味をもち、どのようなコミュニケーションが生まれ、結果的に文化にどのような影響を与えるかといったことを想像する。
著者の青木さんは、広告会社に勤めた後に、大学で文化的な視点からブランドや広告について研究をし、マーケティングと文化の間にあるものを理解し、探求し、新たなマーケティング原理としての「カルチュラル・マーケティング」を提唱されている。
もう一歩マーケティングを深く考えるために、マーケッターの仕事を再定義するために読んでおいた方がよいです!
マーケティングには文化をつくる発想が今後求められてくると思います。
・CSR活動を戦略的に実施することでブランドを築く
・海外市場に進出する際に日本企業であることの強みを認識してサービスや商品のデザインをする
といったことが求められると、今までの販売→利潤をあげるという短絡的な発想だけでは持続的な成長は難しい。
マーケッターは文化をどのように捉えて、行動していくのが良いのかを自分の中で考えてみました。
デザイン思考やUXデザインなど、ユーザーを取り巻く環境や行動とその意味付けに注目をしてデザインをする手法が注目を集めています。
本書で探求することは、自覚的、意識的に日本の消費について文化と歴史の観点から再検討し、豊かさを「生活様式」として五感全体に関わるエスセティクスを再編成する第一歩を踏み出すことである。
マーケティングには文化をつくる発想が今後求められてくると思います。
・CSR活動を戦略的に実施することでブランドを築く
・海外市場に進出する際に日本企業であることの強みを認識してサービスや商品のデザインをする
といったことが求められると、今までの販売→利潤をあげるという短絡的な発想だけでは持続的な成長は難しい。
マーケッターは文化をどう捉えるべきか
では、文化的な視点からの発想とは具体的にどのような考え方をいうのだろうか。マーケッターは文化をどのように捉えて、行動していくのが良いのかを自分の中で考えてみました。
①自分の仕事と文化の関係性を考え、使う言葉から変えていく
デザイン思考やUXデザインなど、ユーザーを取り巻く環境や行動とその意味付けに注目をしてデザインをする手法が注目を集めています。
ペルソナ・シナリオ法、スケッチボードなどの手法などの方法論が紹介されたりしますが、重要なのは一つひとつの手段ではなく、人を取り巻く環境=文化を想像する力である気がしています。
まずはマーケッターは普段の使う言葉から変えていく必要がある。
仕事でも感覚的に嫌気がさすこと多いです。ターゲットとか、強み弱みとか、戦略といった言葉をやたらと使いたがる人・・・
文化発想のマーケティングにおいては、競争用語であるターゲットという言葉を使うべきではない。顧客は、ねらうべきシューティングの対象などではない。ともにブランドを育てていくべきパートナーである。価値を共有するパートナーとしてブランドを支え、ブランドをチェックする存在である。p161
従来型の発想は消費者をどう動かすかという、一方的な視点で捉えてしまいがちです。
マーケッターは、自分たちの世界の捉え方を自覚して、自分の思考の背景になっているもの、無意識的なバイアスをわかった上で、仕事をすることが大切なのではないだろうかと思います。
マーケティングが想定する人間は、合理的な選択を行う情報処理型人間である。p41
マーケッターは、自分たちの世界の捉え方を自覚して、自分の思考の背景になっているもの、無意識的なバイアスをわかった上で、仕事をすることが大切なのではないだろうかと思います。
近代的、合理的な発想しかできていないのであれば、文化的な発想を生み出していくには限界がある。
言葉一つをとっても、その人のユーザーとの向き合い方=仕事観みたいなものんががわかります。
無意識的に働いている文化の力を理解した上で、ブランドのストーリーを表現する。
ブランドとは、生きたシンボルであり、無意識的に人に影響を与え続けるものであることを自覚する必要があると思います。
ブランドとは、生きたシンボルであり、無意識的に人に影響を与え続けるものであることを自覚する必要があると思います。
文化とはなにか
文化とは、無意識の強制力である。自らの制度化された思考を問うことは⑴なぜこのような思考が成立したかを歴史的に問うこと。⑵なぜ現在受け入れられているのか、他の文化からみてどうか。⑶私達の価値判断のもととなる哲学的、思想的前提を明らかにする。を明確にすることである。
中略
文化は、モノを売るという行為の基底となるものであり、マーケティングという近代主義の深層となるものである。なぜなら、モノは特定の文化のフィルターを通過しなければならないからである。
自分たちが発信する情報や、ローンチするプロダクトがユーザーにとってどんな意味をもち、どのようなコミュニケーションが生まれ、結果的に文化にどのような影響を与えるかといったことを想像する。
そのために、自分の中で文化とは何かということを常に問い、文化に働きかけるような仕事をしている自覚をもつことが、マーケッターには必要なのはないかと思います。
カルチュラル・マーケティングを担う文化シンボル・プロデューサーは、法律家、会計士のような表側-顕教の論理-近代、合理性に対応した-の世界を扱いつつ、裏側-密教の論理-非合理性、文化性-の世界をロジカルに分析する。
中略
豊かであること、楽しいことは「意味の充実」である。生きることの「意味の充実」に役立つ商品を作ること、そのような商品を開発することが私達文化シンボル・プロデューサーの使命である。
P292
表象の世界だけをみていたのでは、人間のコミュニケーションは理解できず、「経験」を構造的にとらえ、再現可能な表象としてコントロールすることもできない。その仕組みを構造的に理解することはできないのである。意志・意思がどらだけ現実の人間を動かすことができるのかが権力であり、象徴力である。言語的遂行力が実行力を規定するためには、法=ルールの概念的姿=顕習=ルールの意味的姿-密教の両者に対する鋭い感覚が必要である。 P293表象的な捉え方したできないから、軽い企画しかできない。
パワポは綺麗だけど中身、哲学がない企画書。
リサーチの時間を使わずに、自社商材にこだわってしまう傲慢な企画。
薄っぺらい企画合戦から抜け出すために、僕たちは文化的な発想にもっと目を向けるベキだと思います。
グローバルに商品やサービスを展開する際に、日本の文化を理解し、それを言語化して提案できることはブランドにとって強みになり得る。
海外のニーズに応えようとすることも、もちろん大切になってくるけども、
日本企業としてのアイデンティティや、哲学的をもっているかが、海外マーケットで独自のポジションを築いていくためには必要なのではないだろうか。
僕たちはどこに向かっているのか?
なぜこのサービスやプロダクトをデザインしているのか?
過去軸・未来軸、長い時間軸を意識してデザインすることが
豊かさをつくりだすためには大切なのではと思います。
青木さんは、カルチュラル・マーケティングを通じて、2つポイントをあげられています。 ・「豊かさ」の新しい日本独自のグローバルな消費文化の形成
・「豊かさ」のユートピア(夢)の共有化=生活、商品に対する新しい文脈の形成
マーケッターだけではなく、どんな社会をつくるのか、豊かさとはなにか?という問いを企業と消費者の間で対話を続けるような環境が必要になってきます。
・生活の質があがることで、仕事の質もあがる。
・生活にこだわりをもつようになるから、仕事にも深い問いをもてるようになる。
生活にビジョンがないのに、仕事して、デザインして何を生み出そうとしているの?
という話です。
仕事中心で、すべて効率化のために惰性的に暮らすのはやめようと思います。
良いデザインは良い生活から生まれるはず!!
まずは、自分自身の仕事・生活スタイルの見直しからだな・・・
深い問いをもって仕事に望むことの大切さに気づかせてくれる本です。
②日本独自の豊かさとは?を考える
文化発想とは何か、マーケティングにおける文化がもつ意味とは何かを問い、青木さんは、日本独自の豊かさは何か?という問いに発展させる。グローバルに商品やサービスを展開する際に、日本の文化を理解し、それを言語化して提案できることはブランドにとって強みになり得る。
海外のニーズに応えようとすることも、もちろん大切になってくるけども、
日本企業としてのアイデンティティや、哲学的をもっているかが、海外マーケットで独自のポジションを築いていくためには必要なのではないだろうか。
青木さんが紹介している日本のデザインの特徴について。
日本文化の造形性、機能性に関わる源泉とは何かというと、様々な文化シンボルに表現された加算型とは別のマルチファンクションである。たとえば、これから使う人のユーザーニーズを掘り下げるだけではなく、そのモノやサービスが本来もっていた価値や、文化との関係性に焦点をあてると、新たな気づきを得られる可能性があるのではないかとも思います。
・和室=シンプルだが、居間にも食堂にも寝室にもなる。
・坪庭=凝縮することで自然をそのまま再現。人工的、幾何的削ぎ落としを感じさせない。
・幕の内弁当=一つでバランスよくエレガントにアレンジされ、パッケージ化されている。栄養の面でも過不足なくまとめている。
・能=一つの微細な動きで象徴的に一〇を語る
・風呂敷=一枚の布があらゆる大きさに対応できる柔軟性を持っている
といったように多様なものをバランスよく機能させることである。
P203
生活のおける新しい「豊かさ」のビジョン
歴史や文化を理解した上で、大切になってくるのは「豊かさ」のビジョン。僕たちはどこに向かっているのか?
なぜこのサービスやプロダクトをデザインしているのか?
過去軸・未来軸、長い時間軸を意識してデザインすることが
豊かさをつくりだすためには大切なのではと思います。
青木さんは、カルチュラル・マーケティングを通じて、2つポイントをあげられています。 ・「豊かさ」の新しい日本独自のグローバルな消費文化の形成
・「豊かさ」のユートピア(夢)の共有化=生活、商品に対する新しい文脈の形成
マーケッターだけではなく、どんな社会をつくるのか、豊かさとはなにか?という問いを企業と消費者の間で対話を続けるような環境が必要になってきます。
やっぱりワークライフバランスって大事
ワークライフバランスって、仕事効率をあげるとか、家族と過ごす時間を増やすって要素ももちろんあると思います。・生活の質があがることで、仕事の質もあがる。
・生活にこだわりをもつようになるから、仕事にも深い問いをもてるようになる。
生活にビジョンがないのに、仕事して、デザインして何を生み出そうとしているの?
という話です。
仕事中心で、すべて効率化のために惰性的に暮らすのはやめようと思います。
良いデザインは良い生活から生まれるはず!!
まずは、自分自身の仕事・生活スタイルの見直しからだな・・・
深い問いをもって仕事に望むことの大切さに気づかせてくれる本です。