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【発想する組織】発想する会社をつくるために、IDEOの組織文化から学ぶ

世界最高のデザインファームIDEOからできる限りのことを盗んでいきたい。

IDEOの組織文化について、調べてみました。


IDEOの組織文化を学ぶのに一番役に立つのはこの本。





どうやって組織文化にデザイン思考を浸透させることができるのか?どうやって組織を創造性が発揮できるようにカスタマイズしていくのか?

IDEOから得られるヒントがたくさんありそうです。



IDEOの組織文化を3つの視点からみてみる。


①採用時のポイント②コラボレーション型支援③コミュニケーション

①採用時のポイント


Tim Brown氏がBlogに書いていた「IDEOが重要視する採用時の5つのポイント」
1. They say “we” more than “I”私という言葉より「私たち」という言葉をよく使う

2. They talk about failures, not just wins.成功のことだけではなく、失敗についてもよく語る。

3. They've spent time teaching as well as learning.学ぶのと同じくらいの時間を教えることに費やす。

4. They’re nice to the receptionist.受付の人に対して好意をもって接している。

5. We believe in asking for forgiveness, not permission.   許可を求める人ではなく、まずは謝り、過去を改める人に信頼を置く


原文:
https://www.linkedin.com/today/post/article/20130924105210-10842349-how-i-hire-5-tips-for-landing-a-job-at-ideo 


創造性よりも前に人間性を重視していることがポイント。
気遣いできること、配慮できることは、多様な人とコラボレーションしながら働くIDEOのスタイルには
必要不可欠なのかもしれません。

②コラボレーション型支援

これはハーバード・ビジネス・レビューの6月号に書かれていました。

IDEOの創造性は助け合いから生まれる


立場に関係なく互いに助け合って仕事を進めている。そうした助け合いの文化が、素晴らしいデザインを生み出す源泉となっているという。他者の助力を受けることで新たな気づきを得られ、また助けた側もその結果に満足することで生産性が向上するのである。互いにアイデアを吟味し、疑問を投げかけ、肉付けし、改善していくべきという文化が組織に根付いている。同僚の成功を後押しすることが組織で賞賛される行動と認識されている。

コラボレーション型支援のポイント


ⅰリーダーみずからが助力を求める姿勢が重要(例)IDEOではTim Brown自らが、ブレストに積極的に参加し、助言をする。

ⅱ助け合いを求めることにためらってはいけない(例)これは具体的な行動に落とし込まれる部分であり、マネージャークラスの方が示していくもの。助力を得た人は感謝の気持ちを示し、どのような成果が出たのかを示す。

ⅲ助力を求めやすい雰囲気と機会をつくる。(例)定例ランチMTG,デザイン審議会


お互いに気軽に相談し合う、アイデアを出しあうという文化が形成されている。
知識労働者であれば、必要不可欠なこと。そういえば、カヤックさんもトイレにもブレストできる環境がつくられているとか・・・やっぱりワークプレイスのデザインは大事!

③日常のコミュニケーション

デザイン思考家がコミュニケーション面で大切にする3つの口癖をまとめてみました。

ⅰWhy「なぜ」

How might we〜「どうすれば私たちは〜だろうか?」

I like, I wish, What if:IL/IW/WI~ 「〇〇がいい」「希望は〇〇」「もし〇〇なら」

詳しくはHCD Tool Kitに記載されています。http://www.ideo.com/work/human-centered-design-toolkit/


ⅰWhy?なぜとシツコク聞くこと


The main thing is I trust my intuitive mind... Mostly I say, "Why?" And then after they've answered, I say "Why?" again. You really learn a lot about them. The main thing is just trying to hang back and let them explain why they care about certain things.自分の直感を信頼しています。... そして「なぜ」という問いを投げかけます。そして彼らが回答すると、再び「「なぜ」と問います。そこからは大変多くのことを学べるでしょう。ここでのポイントは、こちらからは切りだすことなく彼らになぜそのコト/モノについて彼らが気に掛けているのかを説明してもらうことにあります。
参考:http://www.creia.jp/blog/2013/10/31/2026

ⅱ How might we〜「どうすれば私たちは〜だろうか?」共通の問いを立て、一緒に考えることを引き出すこと

これはOpen IDEOで多様な人々を巻き込むのにも活用されていますね。


ⅲ~I like, I wish, What if:IL/IW/WI~ 「〇〇がいい」「希望は〇〇」「もし〇〇なら」

自分の意見を明確に伝え、相手の思考を発展させること

 「作業するためにこのグループをペアに分けたい(I Like)」 「ユーザーのテストをする前に、計画について会って話しあえればと思う(I Wish)」 「もし新チームのメンバーをハッカソン5のスピードに合わせるならどうしたらいいか(What if)」3 つ 目 の 「 も し 〇 〇 だ っ た ら ( w h a t i f ) 」 は 「 □ □ な ん て ど う だ ろ う か ( I w o n d e r )」 や 
「 □ □ す る 方 法 は ( H o w t o )」 などと言い変えてもOK。

参考:http://www.ideo.com/work/human-centered-design-toolkit/



IDEOの組織文化に注目すると、デザイン思考を実践する上でどのような環境を整える必要があるかのヒントが見えてきます。
少しづつでも取り入れて、アイデア一つでも多くでる組織をつくっていきたいものです。


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